院政について② -院政の時期の様子-

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投稿者:       投稿日時:2013/10/22 02:08      
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院政について、院政の時期の様子を考えてみます

 

 

・院政の時期の様子について

 

 ・上皇のまわりには、院近臣と呼ばれる集団が集まり、院近臣が上皇の力を借りて、

  収益の多い国の国司などの官職に任命されることがあった

   ※・院司として上皇に従った近臣たちは、最初は朝廷での官職が

     さほど高いわけではなく、様々な国の国司を担当した人が多かった

    ・院近臣・・裕福な受領、后妃、乳母の一族などのこと

 

 ・院政の時期に、知行国の制度、院分国の制度などが広がった

  →そのため、公領が知行国主や国司の自分の土地(私領)のようになった

   =この動きが、院政の経済を支える基盤になったといわれている

   

   ※・院分国の制度・・院自身が国の収益を得る制度のこと

    ・知行国の制度・・上級の貴族に、知行国主として一つの国の支配権を与えて、

             その国からの収入を知行国主に与える制度のこと

   

   ※なぜ、知行国の制度を作ったのか

    ・知行国主は、自分の子どもや近親の人などを国守に任命して、

     現地に目代を派遣して国の支配をした

     →この時に、貴族の給料を表面上は与えるとしておきながら実際は与えない

      ということが起きたので、貴族の収益を確保する、という目的で

      知行国の制度が作られることになった

 

 

 ・院政の時期には、寄進地系荘園も経済の基盤になった

  →・鳥羽上皇の時代には、院のまわりに荘園の寄進が集まったり、

    有力な貴族や大きな寺院への荘園の寄進なども増えた

   ・上皇は、近親の女性と同じような待遇を与えた

    →代表的なものに、八条院領、長講堂領などがある

     ※・八条院領・・鳥羽法皇が皇女である八条院に伝えた荘園のこと

      ・長講堂領・・後白河法皇が長講堂に寄進した荘園のこと

   

 ・不輸や不入の権を持っている荘園が一般的になって、

  不入の権が警察権を排除するレベルまで拡大された

  =そのため、荘園の独立的な性格が強くなった

 

 

 ・大寺院が多くの荘園を持ち、大寺院にいる下級の僧侶を僧兵として、国司と争ったり、

  朝廷に強訴(訴えや要求をすること)をして要求を通そうとしたりした

  ※・興福寺の僧兵を奈良法師と言い、京都に入って強訴した

   ・延暦寺の僧兵を山法師と言い、日吉神社の神輿をかついで強訴をした

   ・興福寺を南都、延暦寺を北嶺と言う

   ・大寺院は鎮護国家を提唱していた

    →大寺院の上のような行動は、法ではなく実力で争うという、院政の時期の社会の特徴を  

     表現していると言われている

 

 ・神や仏の権威を恐れた貴族は、大寺院の力に対抗することができず、

  武士を使って警護や鎮圧を行わせた

  =このような動きがあり、武士が中央の政治の世界に進むきっかけになった

 

 

 ・地方は、各地の武士が館という建物を作って、一族や地域などの結びつきを強めるようになった

  ※特に奥羽地方では、陸奥の平泉という場所を拠点にして、藤原清衡の力が強くなっていった

 

 ・奥州藤原氏は、清衡、基衡、秀衡の3代で約100年の間、繁栄していった

  ※奥州藤原氏が行ったこと

   ・金や馬などの産物の富で京都の文化を移入してきた

   ・北の方の土地との交易によって、奥州独自の文化を育てた

   ・奥州の2回の反乱の後に、奥州の藤原氏が勢力をきずくようになった

   ・北の方の産物が都に持っていかれるようになった

   ・藤原氏は金によって、平泉を中心に繁栄した etc

 

 

 ・院政の時期には、私的な土地の所有が行われるようになった

 ・院、大寺社、武士などが独自な権力を持つようになり、権力が分かれていくようになった

 ・社会を法律などではなく、実力で動かそうとする風潮が強くなっていった

  →以上のような特徴を踏まえた当時の社会は、中世社会と言われるようになり、

   この時期から中世社会が始まったと言われている

 

 

 

ポイント

・院政の時期の様子について押さえる

 

このあたりが今回のポイントです

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