ヨーロッパの将来的な課題について

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投稿者:       投稿日時:2013/10/31 23:48      
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ヨーロッパの課題について考えてみます

 

 

・ヨーロッパの課題について

 

 

 ・工業面での最大の課題は、失業率と産業の空洞化だと言われている

  ※どういうことか

   ・安い賃金のために、西ヨーロッパの多くの国が生産拠点を東ヨーロッパに移動した

    →すると、東ヨーロッパでの企業が増えるが、西ヨーロッパでの企業は減少し、

     産業の空洞化が起こる

    →また、西ヨーロッパの産業の空洞化が、西ヨーロッパの人々の

     失業率の上昇を招いた

     =西ヨーロッパから東ヨーロッパへの企業の移動が、

      いくつかの問題を引き起こしている

 

  ※実際にドイツでは、多くの移民労働者が産業の基盤を支えていた

   →しかし、東ドイツ地域などに工場が移転するにつれて、移民の失業率が上昇した

    =そのため、ドイツでは失業給付などの社会保障負担が増えている

 

  ※また、1980年代からEUに加盟したポルトガルやギリシャのように、

   産業の高度化で目立った進展がなかった国は、安い労働力を提供する

   東ヨーロッパの国々との競争が課題ともなっていると言われている

 

 

 

 

 ・EUの狙いが、逆に問題を生み出している場合もあると言われている

 

  ※EUの根本的な狙い

   →将来的には、それぞれの加盟国の主権を制限して、EU全体として

    政治や法律の制度を一元化していく

    =しかし、実際は国民国家の枠組みを変えることは簡単ではない

 

  ※実際にも、以下のような問題が出てきている

 

 

  ・デンマークの問題

   →・当時のEUの憲法にあたるマーストリヒト条約の批准についての

     国民投票の結果、反対が多数を占めた

     =この問題をデンマーク・ショックという

      ※デンマークは、もともと環境政策や社会福祉の面で高い水準にあり、

       EUに基準を合わせることで、自分の国の水準が低下する

       という心配が国民の間で強かったため、デンマーク・ショックが起きた

    ・単一通貨の導入も、デンマークやイギリスは保留している

 

     ※デンマークの問題は、各国の利害の調整の難しさを表していると言われている

  

   =これらの問題の結果、その後新たに結ばれたアムステルダム条約では、

    以下のような動きが見られた

    ・首脳会議の決定を全会一致とする規定を見直した

    ・加盟国であっても、国内の反対が強い場合は、国内の事情を

     優先してもよいことになった

 

 

 

  ・トルコの問題

   →・トルコは、1960年代から加盟を申請してきた

    ・トルコは、ヨーロッパとアジアとをつなぐ位置にある

    ・トルコの国民の大半はムスリムになっている

    ・トルコは、建国以来ヨーロッパをモデルとした改革を進めてきた

     =EUがキリスト教圏に限られるのか、初めてイスラーム世界も

      取り入れるのかが、重要な課題となっている

 

 

 

  ・キプロスの問題

   →・キプロスでは、北部に多いトルコ系住民と、南部に多いギリシャ系住民との間で

     紛争が起きていた

    ・トルコの支援を受けた北部は、1983年に北キプロス・トルコ共和国として

     一方的に独立を宣言した

    ・ギリシャ系のキプロス共和国は、2004年にEUに加盟した

     ※しかし、国土が分断されている問題は残されている

      =キプロスの独立とEU加盟に関するギリシャとの対立が

       微妙な問題となっている

 

 

 

  ・経済的統合の面での問題

   →・新規加盟国の開発支援に対するコストを負担した上で、

     先端産業の分野で優位に立てるかどうかという課題

    ・EUの単一通貨であるユーロの価値が、EU域内の経済に大きな影響を与えている

     ※実際に、EU発足以来から21世紀の初めにかけて、

      ユーロはドルに対して30%近く高くなっている

      =そのため、EUの工業製品や農産物は、世界の市場での競争という面で

       苦しいと言われている

 

 

 

  ・政治的統合の面での問題

   →・2003年のイラク戦争の時に、EU加盟国の対応が分かれた

     =EUは、国際紛争に対して一致した態度を取ることができない

    ・EUが、世界の安全保障にどのように貢献できるのか、という点を

     議論する必要がある

 

 

 

  ・文化的統合の面での問題

   →・EUにおける多民族の共生を、どう受け入れていくかということを考える必要がある

    

 

 

ポイント

・ヨーロッパの課題についておさえる

 

このあたりが今回のポイントです

 

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