遺伝子の本体 -形質転換とDNAの構造-
遺伝子の本体について
1、DNAの発見
・1869年にミーシャーという人が、膿からDNAの抽出に成功した
=つまり、染色体はDNAとタンパク質から成る
※遺伝子はDNAかタンパク質のどちらかで出来ているはずだと考えた
2、形質転換
①グリフィスの実験
肺炎双球菌 - S型菌・・・病原性あり
R型菌・・・病原性なし
→これらの菌をマウスに注入してどうなるかを実験
実験 ① S型菌を注入 → 死亡(体内にS型菌が存在)
② R型菌を注入 → 生存
③ 煮沸消毒したS型菌を注入 → 生存
④ 煮沸殺菌したS型菌+R型菌 → 死亡(S型菌が検出)
結論
→煮沸したS型菌の煮汁の中の物質によって、R型菌がS型菌になった
=つまり、形質転換した
②アベリーの実験
S型菌とR型菌に加えて、それぞれの分解酵素を利用
(タンパク質分解酵素、脂質分解酵素、DNA分解酵素)
{(S+タンパク質分解酵素)+R} → 高い確率でS型菌が出現(形質転換)
培養 ※タンパク質、脂質は壊れていて、
遺伝子は元々ない
{(S+脂質分解酵素)+R} → 高い確率でS型菌が出現(形質転換)
培養
{(S+DNA分解酵素)+R} → S型菌が出現しなかった
培養
結論
→S型菌のDNA作用によって、R型菌がS型菌に形質転換した
=つまり、遺伝子の本体はDNAだと言える
3、DNAの構造
①DNAの構成要素
※DNAは遺伝子(遺伝情報)の本体である
・遺伝子の構成要素は4種類ある
→ ・A(アデニン) ・G(グアニン) ・C(シトシン) ・T(チミン)
・シャルガフの法則
→1本のDNAに含まれる構成要素の量は、A=T、G=Cという法則がある
※つまり、あるDNAにAが21%あると、T=21%、G=29%、C=29%
ということが法則からわかる
②相補性と二重らせん構造
※ワトソンとクリックの二人が、二重らせん構造の解明に成功
・相補性・・・A=T、G=C (必ず結合し合っている)
・遺伝情報(A、T、G、Cの並び方)は、組み合わせで変わる
→・ヒトどうしでは、並び方は0.1%くらいの違いがある
・ヒトとチンパンジーでは、1%くらいの違いがある