江戸時代の庶民の思想について

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投稿者:       投稿日時:2013/11/15 04:45      
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江戸時代の庶民の思想について解説します

 

・江戸時代の庶民の思想の根底

 →江戸時代の身分制度の下で、町人は社会的に軽く見られていたが、経済が発達するにつれて、

  町人独自の文化が作られていった

 

 ・当時生み出された文化とそれに携わった人の代表に、

  井原西鶴、近松門左衛門、西川如見などがいる

 

 

 ・井原西鶴-浮世草子(町人の社会の状況や人情を描いた物語のこと)を通して、

       世俗世界の人々の様子に深く共感した

 

 ・近松門左衛門-世話浄瑠璃を作って、男女が義理と人情の葛藤に苦しむ様子を表現した

         ※義理-他人との関わりの時に、従って守るべき道理のこと

 

 ・西川如見-町人には町人としての生き方があることを自覚するべきだと考え、

       町人の生き方を肯定した

 

 

→上のような流れを踏まえて、庶民の思想について考え、研究した代表的な人達に、

 石田梅岩、安藤昌益、二宮尊徳などがいる

 

 

 ・石田梅岩-・町人の商業は、政治を助ける職業であり、大切だと考えた

       ・町人が守るべき道徳として、正直と倹約を推奨した

        ※正直-自分と他人の所有を明確にすること

            例:借りたものは返し、貸したものは返してもらう、など

         倹約-物惜しみではなく、人と物事を生かすために、財宝をむだにしないこと

        →町人が正直と倹約を守ることは政治の一部を担うことだと考えた

       ・石田梅岩は、道徳に関しては、武士と町人との間に上下は無いと考えた

       ・石田梅岩は、朱子学をベースに神道や仏教を取り入れたものであり、

        心学(石門心学)と呼ばれた

       ・「都鄙問答」(とひもんどう)を書いた

 

 

 ・安藤昌益-・人々全員が自ら畑を耕して(万人直耕)食べ、自分で布を織って

       (直織)着る平等な世界が理想と考えた

        =このような世界を、自然世と呼んだ

       ・畑や布織りを他人に頼っている人がいる社会はダメだと考えた

        =このような世界を、法世と呼んだ

       →法世の社会を自然世に戻し、平等な世界を作るべきだと考えた

       ・「自然真営道」を書いた

 

  

 ・二宮尊徳-・農業は、天道と人道から成り立っていると考えた

        ※天道-物事の自らの働きのこと(天道は稲を成長させるが、

            同時に雑草も茂らせる)

         人道-人が行う行為のこと(雑草を抜き取って、稲の成長を助ける)

       ・人々の欲望は天道であり、欲望を制し、倹約と勤労に

        つとめることが人道だと考えた

        →倹約と勤労の具体的な方法を分度と推譲と言う

         ※分度-自分の経済力に応じて生活すること

          推譲-分度で生まれた余裕を将来のために備えたり、

             貧乏で苦しむ人に譲ったりすること

       ・今の自分たちは、祖先がいたから、今の自分がいる。

        だから、祖先に感謝しないといけないと考えた

        =このような考え方を、報徳思想と言う

        ※分度と推譲は、人々が日々の生活で報徳を行うことであると考えた

 

 

ポイント

・井原西鶴が浮世草子、近松門左衛門が世話浄瑠璃、西川如見が町人の生き方の肯定をした

・石田梅岩が、正直と倹約を提唱した上で、心学を作り、都鄙問答を書いた

・安藤昌益が、万人直耕をなどを踏まえた上での自然世を推奨し、法世を否定し、

 自然真営道を書いた

・二宮尊徳が、農業は天道と人道から成り立つことを前提として、

 分度と推譲を提唱し、報徳思想を考えた

 

このあたりが今回の部分でポイントです

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