現代の思想の流れ -意識の根底・構造主義・フランクフルト学派-

閲覧数:5,533
投稿者:       投稿日時:2013/11/15 17:35      
評価数:1
評価 : 平均:5点 | 総合:5点
コメント数: 0       お気に入り登録数:1

LINEで送る
Pocket

現代の思想の流れについて考えてみます

 

 

※近代の思想は信仰よりも科学が重視される面が強く、人間が自然を支配する場面が強かったが、

 本当に人間が強いのか、という疑問もあり、人間そのものに対しての疑問が

 持たれるようになった

 →このような考え方に対して、マルクスが少し意見を提示していたが、

  新たにフロイト、ユング、ソシュールが意見を提示した

 

 

 

・マルクス

 →・人間はあくまでも自然の一部だと考えた

  ・個人の主張が強くなり、自由が増えてきた時に、

   個人が自然や社会とのつながりを失ってしまっては意味がないと考えた

 

 

・フロイト

 →・精神分析学を行った

  ・人間の行動の最も根本には、無意識の衝動というものがあると考えた

  ・人間の心は、エス(イド)、自我、超自我の3つで出来ていると考えた

   ・エス-快楽の心のことで、道徳や理論など関係ない感情のエネルギーのことを指し、

       人間が元々持っている

   ・超自我-良心のことで、快楽を抑える心のこと。

        親や社会や学校などで超自我が作られる

   ・自我-行動や意識の主体となる意識を持った心のことで、

       社会のルールによる無意識の罪悪感などで自我が作られる

    →この3つのバランスを保つことが大切だと考え、

     どのように保っていくのが重要だとも考えた

 

 

・ユング

 →・フロイトの弟子

  ・人間の心には、個人のレベルよりも深い所に、種族や民族、人類などに

   共通する体験が貯められていると考えた

   =このような考え方を集合的無意識と呼んだ

  ・ユングは、宗教などには集合的無意識があると考え、宗教を積極的に認めた

 

・ソシュール

 →・マルクスが唯物論から、フロイトが精神分析学から考えたのに対し、

   ソシュールは言語学から考えた

  ・商品が市場で他の商品と比べることでわかるように、言葉の価値は、

   他の言葉と比較した時に決まると考えた

   →この考え方は、構造主義の基礎だと言われている

 

 

 

 

・構造主義について

 ※そもそも構造主義とは・・

  →人間が無意識の時に、人間を制限している、社会の隠された構造を

   見つけようとする考え方のことで、

   代表的な人に、レヴィ=ストロースやフーコーなどがいる

 

 

 

・レヴィ=ストロースについて

 

 ・レヴィ=ストロースの考える構造とは・・

  →「物事を構成している要素のどれか一つでも変化したら、

    他の全ての要素が変化する」ものだと考えた

   ※この考え方には、「動物」や「アジア」などの、豊かな物(文明)を

    中心にして考える考え方に対する批判が含まれていたと言われている

 

 ・レヴィ=ストロースは、南米で未開社会(文明社会のように様々なものが

  発達しているわけではない単純な社会のこと)の実地調査を行い、

  未開社会の土台となる構造がどのようなものかを知ろうとした

  →その中で・・

   ・未開社会での神話にも特有の構造があることがわかった

   ・人間が自然を支配する立場に立ち、人間が自然を破壊するような文明社会は、

    野蛮であると考えた

 

  →レヴィ=ストロースは、このような考え方から、

   未開社会で見られるような、人間が自然環境や他の動物を維持することが

   本当のヒューマニズムだと考えた

 

 ・レヴィ=ストロースは、「野生の思考」という本を書いた

 

 

 

・フーコーについて

 

 ・フーコーは、理性のある人間を世界の中心に置くという、

  近代の考え方から抜け出すべきだと考えた

  ※なぜ、抜け出す必要があるのか・・

   →近代での理性は、社会のルールやモラルなどから外れているように見える「狂気」を

    封じ込めようとしたから

    ※狂気・・気が狂っていること、気持ちの面で異常な状態のこと

 

 

  ※狂気を封じ込めることがなぜダメなのか・・

   →フーコーは、狂気の封じ込めは、人間の個性を奪い、

    社会に合わせようとさせる考え方が含まれていると思ったから

 

 ・ニーチェに大きな影響を受けていて、「狂気の歴史」などを書いた

 

 →構造主義のように自然と人間の理性について考えた人達として、

  フランクフルト学派という人達がいる

 

 

 

 

・フランクフルト学派について

 

 ・この学派の人達は、自然を支配する道具となったもの(=道具的理性)を批判した

  ※なぜ、道具的理性を批判したのか

   →人間は、理性で自然と自分自身をコントロールするが、

    その理性が人間を型にはめてしまっていると考えたから

 

 ・フランクフルト学派の代表的な人に、ホルクハイマーとアドルノという人達がいる

 

  ・ホルクハイマー・・批判することが哲学の根本だと考えた

 

  ・アドルノ・・権威主義的性格(権威に依存して、権威で物事を解決しようとする

         考え方のこと)を研究した

  

 

 

ポイント

・マルクスは、個人が自然や社会とつながっていることを重視した

・フロイトは、無意識を重視し、エス、自我、超自我の3つのバランスを大切にした

・ユングは、集合的無意識を提唱し、宗教なども認めた

・ソシュールは、言語学の立場から意見を述べ、構造主義の基礎を作ったと言われる

・レヴィ=ストロースは、構造を考え、未開社会を調査した立場から意見を述べた

 →自然の環境や他の動物と一緒に暮らすことが本当のヒューマニズムだと考えた

・フーコーは、狂気を封じ込める社会の変換を提唱した

・フランクフルト学派は、道具的理性を批判した

・ホルクハイマーは、批判が哲学の本質だと考えた

・アドルノは、権威主義的性格を研究した

閲覧数:5,533
LINEで送る
Pocket


(1名の投票, 平均点: 5.00, 総合点:5 | 未評価)
Loading ... Loading ...
投稿者:
投稿日時2013/11/15 17:35

コメント数: 0
お気に入り登録数:1



コメントを残す