基本的人権について② -法の下の平等と様々な差別の問題について-
基本的人権について、法の下の平等と様々な差別について考えてみます
・法の下の平等について
・法の下の平等とは・・憲法の基本的な考え方の一つで、法律を作る時と法律を使う時に、
国が国民を差別してはいけないという考え方のこと
→基本的には、人にはそれぞれ個性があるので、
その個性を平等に尊重するという考え方がある
※人は全員同じだから平等だと考える人がいるが、
その考え方は悪い均一主義を生みだすので良くないと言われている
・日本国憲法では、貴族などの階級を認めずに、
「すべて国民は、法の下に平等で差別されない」としている
※特に、男女の平等については第24条で認めている
→しかし、実際は様々な差別問題が絶えない状況となっている
・様々な差別問題について
・被差別部落問題について
※被差別部落問題とは・・階層社会で最も下の位の人達を中心にして作られていて、
当時から差別されていたが現在でも差別されている地域であり、
その地域に関する問題のこと
・被差別部落問題に関しては、
1965年に同和対策審議会答申(同和対策審議会による意見)が出された
→その答申以降、同和対策事業特別措置法などを使うことによる差別を解消する努力が、
国に対して責任や義務が課せられたり、国民の課題となったりした
※同和対策事業特別措置法・・国や地方公共団体が同和問題を解決させるために
定められた法律のこと
同和問題・・人々が仲良くならないという問題のことで、被差別部落などが代表的
・在日外国人問題について
※在日外国人問題とは・・戦前に日本の植民地であった朝鮮にいた、
朝鮮人と後の韓国人が日本にいることで、
日本の中で日本人と違う扱いを受ける、という問題のこと
・在日外国人問題に関しては、公務員の国籍条項を廃止する地方公共団体が増えている、
などの動きがある
※国籍条項・・地方公務員の採用を日本人に限定する項目のこと
・アイヌ民族に対する差別について
※アイヌ民族に対する差別とは・・北海道を中心にアイヌという民族の人達がいて、
自分たちなりの文化を作ってきたが、
日本人によって、土地が減っていったり、
アイヌ民族が日本人として扱われようとしたりと、
日本人に支配されるような形で生まれた差別のこと
・アイヌ民族に対する差別は、アイヌ民族が差別を無くしたいという動きによって、
アイヌ文化振興法が作られた
※アイヌ文化振興法・・アイヌの文化を尊重したり、盛んにしたりすることで、
アイヌの知識の普及などを推進する法律のこと
・職場での男女差別問題について
・職場での差別として、就業率の違いや、
性的な嫌がらせを受けるセクシャル・ハラスメントなどが問題となっている
・職場での男女差別の解消のために、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法などが
使われている
→しかし現在では、これらの法律に限界が来ているとも言われている
※男女共同参画社会基本法・・男女が対等な立場で利益や責任などを
分かち合う法律のこと
・障害者に対する差別問題について
・障害者雇用促進法という法律があるが、その法律の基準に達していない
企業や国、地方公共団体が多いと言われている
※障害者雇用促進法・・企業、国、地方公共団体などがある一定の割合で
障害者を雇用しなければいけないという法律のこと
→差別が無くなるように、一人一人が差別に向けて粘り強く努力していくことが
大切だと言われている
ポイント
・法の下の平等の内容とその考え方を押さえる
・様々な差別とそれに関する動きや法律、考え方などを押さえる