地方自治と住民の動きについて

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投稿者:       投稿日時:2013/11/17 19:52      
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地方政治と住民の動きについて考えてみます

 

 

・地方自治の本来の目的について

 

 ・地方自治の本来の目的は、団体自治と住民自治という2つの大きな目的があると言われている

  ・団体自治・・地域の人々が日本の政府とは別に独立した、自治権を持つ団体を作ること

  ・住民自治・・団体自治で作った団体に、住民が参加して自治を運営すること

 

  ※現在、地方自治体の活動はナショナル・ミニマムの考え方を取り入れることが

   必要だと言われている

   ・地方自治体・・普通地方自治体(都道府県や市町村などの地方自治体)と

           特別地方自治体(東京23区や組合などの地方自治体)の

           2つに分けられる

           ※地方自治体は、地方公共団体とも言う

   ・ナショナル・ミニマム・・国家や地方自治体が国民に対して

                最低限度の生活水準を維持すること

 

 

 ※地方自治が考えられた背景について

 

  ・明治時代は、知事(各都道府県のトップの人)は国の政府が

   任命する官吏(昔の言い方で、役人のこと)が担当し、

   市町村長は、官吏の指示のもとに行動していたので、

   中央集権的(権力を国家に集める考え方)だった

   

  →日本国憲法が出来てからは、地方自治制度が生まれ、地方自治法が作られ、

   地方分権(権力を地方に分散すること)が進んだ

   ※地方自治制度・・自治権(地方公共団体が自分達で行政が出来る権利のこと)を

            都道府県や市町村に大幅に与える制度のこと

    地方自治法・・地方自治に関する基本を決めた法律のこと

 

  

  ※地方自治は、政治の能力を高める場所として考えられていた

   →そこで、トックビルやブライスという政治学者の人達が、

    「地方自治は民主主義の学校」と呼んだ

 

 

 

 

・地方自治の仕組みについて

 

 ・地方自治は、地方公共団体の首長(執行機関、トップの人のこと)と

  議会(議決機関)が担当する

  →首長と議会は、お互いに抑制と均衡の関係があると言われている

   ※抑制や均衡の例

    →・首長-・議会の解散権(議会を解散させる権利)がある

         ・議会の決定に対する拒否権(議会の決定に対して拒否する権利)がある

     ・議会-・首長の不信任決議権がある

          

 

 ・地方公共団体の権限について

  →地方公共団体は、下のような権利を持っている

   ・条例制定権・・地方公共団体が、法律に違反しないレベルで条例を作る権利のこと

   ・自治立法権・・違反に対して、一定の罰を与えるような条例を作る権利のこと

 

 ・地方公共団体が行う仕事について

  →地方公共団体は大きく2つの仕事がある

   ・自治事務・・自治体が自分から行う事務のこと  

          例:飲食店営業の許可、都市計画など

   ・法定受託事務・・国が実施する方法まで指定する事務のこと  

            例:国道の管理、国政選挙の管理など

 

 ・地方自治では、住民の直接請求権が認められている (国の政治では認められていない)

  ※直接請求権・・住民の政治の参加が直接的に認められている

  →直接請求権の例

   ・イニシアティブ・・住民が条例を作ったり、変えたり、無くしたり

             することを直接求める権利のこと

   ・リコール・・住民が、事務の監査請求権を使って、議会の解散、議員や首長を

          クビにすることなどを求める権利のこと

          ※監査請求権・・会計や業務などをチェックする権利のこと

   ・住民投票制度(レファレンダム制度)・・何かしらの問題について、

                       住民の意思を投票で直接聞く制度のこと

 

 

 

 

・地方自治の現状と問題点について

 

 ・地方自治の財政について

  ・地方自治の財政は、昔は「3割自治」と言われるほど、

   自治体が自ら集めた財源が少なかった

   →そこで、地方自治は、地方交付税や国庫支出金などに頼ったと言われる

   ※・3割自治・・自治体が自分たちで集めた財源が3割程度しか

           集められなかったことから、地方自治の自主財源が少ない言葉を

           象徴する表現のこと

    ・地方交付税・・所得税、法人税、消費税などといった国の税金の一部を、

            地方公共団体にある格差を無くすために配る財源のこと

    ・国庫支出金・・教育や道路の整備などの費用の一部を国が負担する財源のこと

            ただし、国が負担する額は全額ではなく、

            足りない分は地方が自分で補うことになる

  

   ※地方は、財源が足りない時に地方債(地方公共団体の借金)を発行することになるが、

    発行する時は国の政府の許可が必要だった

 

  →このような状況だったので、1999年に地方分権一括法という法律が作られ、

   機関委任事務の廃止などが行われた

   ※機関委任事務・・国が地方公共団体などにお願いする事務のこと

            機関委任事務があった時は、地方が国に従う形だったが、

            機関委任事務が無くなってからは、

            地方が国と対等の関係になったと言われる

 

  →また、日本は「三位一体の改革」を行ったが、国と地方との関係には、

   まだ多くの問題が残っていると言われている

   ※三位一体の改革・・地方税を増やすこと、

             国庫支出金を減らすこと、

             地方交付税を見直すことを同時に行うこと

 

  →最近では、財政の土台をしっかりさせる、ということを意識して、

   市町村合併が進められている

 

 

 ※現在は地方分権が進んでいるが、以前は中央集権のスタイルが強かったため、

  以下のようなことが起きた

  ・地域の自主的な動き、個性などが弱くなってしまった

  ・重要なことが全て中央(東京)で決められるので、東京の一極集中と地方の衰退、

   という現象が起きた

   =東京に人口、情報、経済などが集まってきてしまった

 

 

 ・住民運動について

  →現在、様々な住民運動が存在している

   ※住民運動の例

   →・一村一品運動・・各地域が積極的に特産品を作って、地域の発展を目指す運動のこと

    ・村おこし運動・・人口が少なくなった村を活性化させることを目指す運動のこと

    ・住民が政策を決めることに対して、積極的に参加することが求められるようになった

    ・オンブズマン制度、情報公開制度、プライバシーの保護などは、

     国の政府よりも先に地方が行ってきた

    ・自治基本条例という条例を作る動きが強くなってきている

     =地方公共団体への地方分権の動きが強くなってきたことが見える

 

 ・地方の国際化について

  →現在では、国際化が国レベルだけではなく、地方レベルにまで来るようになった

   ※地方の国際化の例

   ・国籍条項の撤廃・・地方公務員を日本人に限ること(国籍条項)について、

             賛成、反対の議論がある

   ・外国人の地方参政権問題・・外国人に地方で参政権を与えるかどうかが

                 問題になっている

   

 

 

 

・住民の直接請求の具体的な手続きについて

 

 ・条例の制定か条例の改善か廃止の請求

  →有権者の50分の1の署名が必要で、首長に請求する

   =首長は、20日以内に議会で話し合い、その結果を公表しなければいけない

 

 ・監査請求

  →有権者の50分の1の署名が必要で、監査委員に請求する

   =監査の結果を公表して、議会や首長に報告する必要がある

 

 ・解散請求

  →有権者の3分の1以上の署名が必要で、選挙管理委員会に請求する

   =住民の投票で、過半数の人が解散する方に投票したら解散となる

 

 ・議員と首長の解職請求

  →有権者の3分の1以上の署名が必要で、選挙管理委員会に請求する

   =住民の投票で、過半数の人が解職すべき、という方に投票したらクビとなる

 

 ・主要公務員(副知事や副市長村長)の解職請求

  →有権者の3分の1以上の署名が必要で、首長に請求する

   =議会で話し合い、議員が3分の2以上出席する議会で、

    4分の3以上が解職すべきに投票したらクビになる

 

 

ポイント

・地方自治の目的と背景、仕組みを押さえる

・地方公共団体の権利、住民の直接請求権を押さえる

・地方の財政問題、三位一体改革、住民運動、国際化を押さえる

・住民の直接請求の具体的な手続き押さえる

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