スパコンと順位の話
スパコンというものは、民主党政権の事業仕分けでの「2位ではなぜダメなのか」が話題になってから世間に注目されるようになった気がします。メディアもかなり大々的に取り上げていたので、名前は知っている人も多いと思います。ただ、とりあえず計算が速いくらいの認識しかない人が大半ではないでしょうか。
ということで少し調べてみると、スーパーコンピュータとは、膨大な計算処理を主要目的とする大規模コンピュータで、有限要素法などに基づく構造解析、気象予測、分子量力学、シミュレーション天文学…などに使われるそうです(ウィキペディア)。なんのこっちゃわかりません。とにかく、いろいろな最先端の研究に役立つものみたいです。最近話題のビッグデータに活用できそう!くらいは予想できます。
スパコンを調べていて気になったのは、順位ばかりが主張されすぎかなーと思ったという点です。確かにスパコンそのものを作っている人たちからすれば順位は重要だと思います。1位を取ることによる名誉を求める人もいるかもしれません。今回の中国はその典型のようにも見えます。ただ、素人目からの関心としては、スパコンの処理速度が上がることによって何が変わるのか、何に役立つのかのほうが重要だと思うのです。新聞等を見ているとどうもその部分が欠落しているように見えるのです。新薬の開発や製造業の設計などでスパコンの重要性は増しているそうですが、企業が使いにくいという実態もあるようです。スピードはやたら速いけど、企業からすれば使いにくいものをわざわざ使いません。これでは単なるスピード競争ですよね。スパコンを作る人もそれを伝えるメディアも、順位に傾斜しすぎず、スピードを速めることでどういうメリットがあるのかをもう少し伝えるべきだと思います。
〈参考資料〉
・「新産業育てるスパコン計画に(社説)」『日本経済新聞』2013年5月19日付け、朝刊
・「スパコン、中国最速、1秒間に3京回計算、『京』4位に後退」『日本経済新聞』2013年6月18日付け、朝刊