参院選2013 マニフェストを比較してみると意外と見えてくるものが多いのかもしれない

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投稿者:       投稿日時:2013/09/02 15:13      
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独断と偏見で興味のある政策毎に、各党の方向性をおおざっぱに二つに分けてみたいと思います。党名が略称なのはご了承ください。

 

・「成長戦略」

まずは成長戦略からみると、無理矢理二分すれば、「労働者中心」(民主、社民、みどり、生活、共産、公明?)か「企業中心(とりわけ大企業)」(自民、みんな、維新)かといったところでしょうか。ここでの労働者中心とは、いわゆる弱者支援優先(内需主導?)という意味です。典型的なのは社民党、生活の党、共産党の賃上げ要求です。労働者の賃金を上げることによって消費を拡大し、経済の活性化につなげようというのが基本的な考え方だと思われます。民主、みどりは記事を見る限り賃上げは主張していないようですが、中小企業支援という主張から弱者支援と言えそうです。

 他方の企業中心とは、とりわけ大企業を中心とした支援策(法人減税、投資減税、規制緩和など)を通じた経済成長によって企業収益向上を図ることで間接的に国民の生活を豊かに(賃金の上昇、いわゆるトリクルダウン)することだと思います。自民党、みんなの党、維新の会が典型でしょう。これらの党はそれぞれ今後の経済成長率目標を明示している点、TPPには積極的という点などから企業中心が見て取れます。

 成長戦略に関しては、個人的に公明党の立ち位置がイマイチわかりません。公明党は自民党と近い存在というイメージがあるので企業中心で分類しようかと思ったのですが、「デフレ化で減った平均給与10%分を取り戻す」「政労使による『賃金の配分に関するルール』」などを掲げており、労働者中心の印象を受けます。

 

まとめると…

労働者中心:民主、社民、みどり、生活、共産、公明?

企業中心:自民、みんな、維新

 

・「税・財政・社会保障」

 税の観点から言えば、消費税増税の是非で分けられます(もうすでに法案は通っていますが)。消費税増税をそのまま継続する姿勢を見せているのは、自民、民主、公明です。他方の社民、みどり、生活、共産、みんなは消費増税反対です。維新の会は、消費税に関しては地方税化を提唱していますので、現在通過している消費増税法案に関しては反対といったスタンスでしょうか。とにかく、消費増税反対派がかなり多いことは印象的です。また、成長戦略とも関わりますが、法人税減税を主張しているのが自民、維新です。

社会保障という観点から言えば、最低保障年金を掲げているのが民主、生活です。生活保護に関しては、社民、共産が改悪反対を主張、民主も生活保護基準の引き下げ見直しを掲げています。自民に関してはプライマリーバランスの黒字化目標が押し出されており、社会保障に関しては二の次という印象です。「自助」「自立」を第一に、「共助」と「公助」を組み合わせることで持続可能な社会保障制度へ、という主張からも伝わってきます。

 

まとめると…

消費増税反対:社民、みどり、生活、共産、みんな

消費増税賛成:自民、民主、公明

消費税地方税化:維新

 

社会保障充実派:民主、社民、みどり、生活、共産、公明?

社会保障抑制派(適正化派?):自民、維新、みんな?

 

・「子育て・教育」

この分野では、待機児童解消に関しては全党ほぼ一致しています。教育に関してはお金を出す(奨学金拡充など)ことを押し出す政党と、教育の中身を変革することを押し出す政党に分けられるでしょうか。前者は民主、社民、生活、共産です。後者は自民、みんな、維新です。

 

・「原発・エネルギー」

自民以外は原発ゼロの方向を示しています。

 

・「憲法」

憲法は改憲派と護憲派で二分です。改憲派は自民、みんな、維新です。護憲派は改憲派以外です。公明党だけは必要ならば加憲するというスタンスです。

 

 

全体のまとめ

最後に全体的にまとめてみると、どの政策に関しても大雑把に見れば自民、みんな、維新というグループと民主、社民、生活、共産、みどりというグループに分けることができます。前者のグループは経済成長重視、後者は社会保障重視といったところでしょうか。こういう分け方をすれば割とわかりやすいかと思いますが、例えば仮に社会保障重視の政党を選びたいと思った時に、社会保障重視の政党は私の考える限り5つありますので、違いが見えなくてどこに投票すればいいかわからないというのが本音です。政策にほとんど違いが見えないので、いっそのこと5党全部まとまれば?とか思ったりもします。そのほうが票も分散しないので経済成長重視の政党と戦いやすくなるような気がします。他方で経済成長重視の政党を選ぶとするならば、原発の是非で判断が分かれそうです。原発再稼働を是とするなら自民だし、非とするならみんなか維新でしょう。とにかく、比較してみて思ったのは、対立構造は割と明確かなということです(社会保障重視か経済成長重視か)。この点に関しては選びやすいのですが、細かいところをみていくと特に差別化されているわけではないので(特に社会保障重視派)判断に困るというのが感想です。

 

 あと、公明党の立ち位置が最後までわかりませんでした。どこを目指しているのかが一番見えにくいです。また、この党には組織票があったりするみたいなので、もう少し勉強をしてみます。

 

 

参考資料

・「2013参院選各党の公約」『日本経済新聞』2013年6月30日付け、朝刊

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