熱帯林の破壊について -東南アジアの例-
熱帯林の破壊について、東南アジアを例に考えてみます
・東南アジアの熱帯林の減少について
・東南アジアの熱帯林では、昔から先住民による小規模な焼畑が行なわれていた
→現在は、大規模な伐採や火入れが行なわれて、多くの熱帯林が消えていて、
生態系や住民の生活に影響を与えている
・熱帯林の破壊には、以下のような理由があると言われている
①熱帯林が、用材としての需要が高い
→・熱帯林の中で使うことが出来るのは、有用材というもので、
ラワンやチークなどに限られる
・ラワンは、合板材としての需要が高く、日本は世界一の輸入国になっている
※日本の熱帯林の輸入相手国は、以下のように変化してきた
・1970年まで・・フィリピン
・1970年代・・インドネシア
・1980年代・・マレーシア
・熱帯林から有用材を切り出すときは、周りのじゃまな木を根こそぎ伐採したり
林道を建設したりする
→そのため、森林全体が大規模に破壊される
・木材の収入によって恩恵を受ける人々がいる裏で、
熱帯林の中で生活していた先住民は、生活基盤を壊された
※そのため、先住民による森林の伐採反対運動などが起きている
②農地開発が行なわれる
→・マレーシアやインドネシアでは、熱帯林が大規模に焼き払われて、
輸出用の油やしやプランテーションが開発されている
・マングローブの広がる沿岸部では、日本向けのえびの養殖池にかわっている
→このような外貨の獲得のための開発は、一時的には住民に利益を出したとしても、
土地がすぐダメになり、長期的に見ると地域のためにならないと言われている
・熱帯林の破壊による影響について
・熱帯林は、多くの動植物を維持する場所として、重要だとされている
※なかには、医薬品として期待されている植物もある
=そのため、熱帯林の消滅は、熱帯林に住む生物種の絶滅につながる
・熱帯林の表面の土は、やせていて非常に薄い
→そのため、森林が伐採されて地面が強い雨と強い日差しに直接さられると、
土が雨で流され、地力が低下する
=結果的に、植物の再生が難しい荒地になる
・先住民が伝統的に行ってきた小規模な焼畑は、数年間の耕作の後に畑が放棄され、
休閑期に森林が回復した
→この経験を生かして、農業と林業をうまく組み合わせて経営することで、
森林の減少を防ぎつつ持続可能な農業を行うという努力も行われている
ポイント
・東南アジアの熱帯林の減少についておさえる
・熱帯林の破壊による影響についておさえる
このあたりが今回のポイントです