イスラーム化への動きについて -東南アジアとアフリカ-
イスラーム化への動きについて、東南アジアとアフリカを中心に考えてみます
・東南アジアのイスラーム化への動きについて
・東南アジアのイスラーム化は、8世紀ころからムスリム商人が東南アジアから中国へと交易圏を
広げていく間に、諸島部を中心に進んでいった
※早い段階では、13世紀の終わりにスマトラ島にイスラーム国家が
成立したことが知られている
→しかし、重要なきっかけになったのは、15世紀に国際貿易都市のマラッカの王が
イスラームに改宗したことだと言われている
=結果的に以下のようなことが起きた
・マラッカを拠点に、イスラーム教は交易ルートにのって
ジャワからフィリピンにひろまっていった
・ジャワでは、16世紀末にイスラーム教のマタラム王国が成立した
・アフリカのイスラーム化への動きについて
※ナイル川上流のクシュ王国というところは、
エジプト以外で現在最も古いアフリカ人の国として知られている
・クシュ王国は、紀元前8世紀に一時的にエジプト王朝を倒した
→その後、紀元前667年にアッシリアの侵入によって後退した
※メロエに都を置いていた時代は、製鉄と商業によって栄え、メロエ文字(未解読)を使った
=しかし、4世紀にエチオピアのアクスム王国によって滅ぼされた
・西アフリカにあったガーナ王国は、金を豊富に産出した
→そこで、ムスリム商人は塩を持ってガーナ王国に訪れて、金と交換した
→その後、1076年と1077年にガーナ王国がムラービト朝に攻撃されて衰退した
=ガーナ王国の衰退は、西アフリカのイスラーム化を促した
※その後に誕生したマリ王国やソンガイ王国の支配階級は、イスラーム教徒だった
→ソンガイ王国は、西アフリカの隊商都市の大部分を支配して、北アフリカとの交易で栄えた
※特に、ニジェール川中流の交易都市だったトンブクトゥは、内陸アフリカでの
イスラームの学問の中心地として発展していった
・モガディシュ以北のアフリカ東岸の海港では、古くからアラビアやイランとの
海上交易が行なわれていた
→10世紀以降は、その南のマリンディ、モンバサ、ザンジバル、キルワなどの
海港都市にムスリム商人が住み着いた
=結果的に、ムスリム商人によるインド洋貿易の西の拠点として繁栄した
→その後、西の拠点としての海岸地帯では、アラビア語の影響を受けたスワヒリ語が
共通語として用いられた
※スワヒリ(サワーヒリー)とは、アラビア語で「海岸地帯の人々」を意味する
→さらに、海岸地帯の南側にある、サンベジ川の南では11世紀ころから
鉱産資源とインド洋貿易によって、モノモタパ王国などの国々が活動した
※この繁栄ぶりは、ジンバブエの遺跡によく出ていると言われている
ポイント
・東南アジアのイスラーム化への動きについておさえる
・アフリカのイスラーム化への動きについておさえる
このあたりが今回のポイントです