食料について -食料問題と市場開放-
食料問題について考えてみます
・食料問題について
・食料問題・・食料に関する問題、特に食料の需要と供給との関係に関する問題のこと
・日本の農業は、経済が成長するにつれて人々の食に対する意識が変わったり、
多様化したりしたので、農業が人々の嗜好に適切に対応することができなかった
→このことによって、様々な動きが見られるようになった
・生産者米価(生産者から政府が買う時の値段)と
消費者価格(消費者がお店から買う時の値段)という
二重価格制を使うことによって、米が生産過剰になってしまった
→そこで、政府は減反政策という政策を行った
※減反政策・・農業をするための田んぼを減らして(=減反)、
政府によってコメの生産を抑えること
ただし、国が中心の減反は、2010年までに
少しずつ無くなっていくことになっている
・コメ以外の農産物の値段が、補助金によっておかしくなってしまい、
コメ以外の需要と供給の関係もおかしくなってしまった
・農業全体の生産性は、養鶏と養豚など以外は、それほど上がらなかった
→様々な農産物の需要と供給の関係がおかしくなったので、
農産物が足りないという事態が起きてしまい、
足りない分は海外から輸入することで補わなければいけなくなってしまった
→上のようなことがあったため、日本の食料自給率は下がってきている
※現在の食料自給率は40%程度、穀物自給率は27%ほどになった
※最近では、遺伝子組換えやBSEなどが出てきていて、
対策としてトレーサビリティを行っている
・BSE・・牛海綿状脳症という問題のこと
・トレーサビリティ・・食品が生産者から消費者に届くまでにどのようなルートを
通ったかを追跡できるシステムのこと
・市場開放という考え方と日本の農業との関係について
・1986年に始まったGATTのウルグアイラウンドで、
コメの自由化ということが問題として取り上げられた
※ウルグアイラウンド・・GATTで行われた貿易に関する交渉のこと
→ウルグアイラウンドでの話し合いの結果、政府がコメの部分開放ということを行った
※コメの部分開放・・農産物に関しては基本的に関税をかけるが、
コメについては6年間は関税をかけることを辞めて、
その期間の間、国内で消費するコメのうちの4~8%を
ミニマム・アクセス(最低限の輸入量)として輸入することで
話し合いがまとまった
→1999年にコメに全て関税をかけるようになった
※しかし、コメの自由化は国内でも避けられない問題になった
→そこで、1994年に、食糧管理法に変わって、新食糧法という法律が作られた
※新食糧法・・コメの価格や市場での動きについて、自由な部分を広げる法律のこと
→2003年に改正食糧法という法律に変わった