現代の政治の行政と官僚制について -関係と問題点と制度-

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投稿者:       投稿日時:2013/11/17 19:42      
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現代の政治について、行政と官僚との関係を中心に考えてみます

 

 

 

・行政国家と官僚制について

 ※官僚制が出来るまでの過程で、行政国家が関係してくる

 

 ・官僚制ができるまでの流れについて

 

  ・日本は、福祉国家(様々なサービスや保障を提供する国家のこと)が進み、

   政府の役割が大きくなってきた

   →その影響で、行政に関して必要な情報や専門知識を持っている人が

    求められるようになった

   

   ※そこで、行政官(行政に関する仕事を行う公務員をまとめた呼び方のこと)が

    注目され、行政官の役割が大きくなった

    →そのため、政策を決めるのは、もともとは議会だったが、

     行政部というところに移った

     =このように、行政に関する機関が大きくなった国家を行政国家と呼ぶ

      ※行政国家は、「行政権優位の現象が見られる」とも言われている

 

   ※行政国家の具体的な例

    ・法律を議会が作って、細かい部分は行政部の指示に従って修正していった

    ・委任立法という考え方がある

     ・委任立法-・立法府(法律を作る国家の機関のこと)以外の機関が法律を作ること

           ・政令や省令などが委任立法に当てはまる

 

  ・行政国家を実際に行っていくためには、

   タテ社会(役職や階級などの上下が重視される社会のこと)の中で

   仕事がそれぞれに分け与えられていて、専門的な能力のある行政官の人達が

   必要になった

   →そこで、行政官の人達による集団として官僚制(ビューロクラシー)が誕生した

 

 

 

 

 ・官僚制の問題点

  →官僚制の問題点には、以下のようなものがある

   

  ・セクショナリズム・・自分の利益や都合を優先する考え方や行動のこと

             →他人や全体を意識できなくなる可能性がある

  

  ・事なかれ主義・・何事もなく、無事に終わればよい、という考え方のこと

 

  ・法律万能主義・・法律に従えば、多くの問題は解決する、という考え方のこと

 

 

 

 

・日本の行政の問題点について

 

 ・明治時代~第二次世界大戦が終わるまでの行政

  →官僚は「天皇の官吏(とても位の高い人)」で、支配者の地位に立っていた

 

 ・日本国憲法が出来てからの行政

  →国民主権が出来たので、

   公務員が「全体の奉仕者(国民全体の利益のために活動する人のこと)」となった

 

 ※しかし、現状は、官僚制の仕組みが強くなり、

  官僚に癒着(様々な組織と好ましくない状態でつながること)が出てきてしまい、

  官僚がダメになってしまったことが問題と言われるようになった

 

 →政治や官僚の癒着は、「天下り」や「族議員」などという形で現れ、

  様々なところから批判された

  ※天下り・・公務員が退職した後に、行政機関と仲の良い民間や政府の機関の

        幹部クラスの職に就くこと

   族議員・・ある分野の知識や関心が非常にあり、政策を作ったり、

        実際に行ったりするのに、強い力を持っている議員のこと

 

 →政治や官僚の癒着が増え、官僚がダメになってきてしまったので、様々な法律が作られた

  ・行政手続法・・行政を指導する内容と責任者をはっきりさせることなどを

          定めた法律のこと

  ・情報公開法・・国民主権を土台に、政府が持っている情報を、

          知る権利を使って公開する法律のこと

  ・国家公務員倫理法・・接待や贈与の禁止をする、など国家公務員に

             一定のモラルを求める法律のこと

 

  ※今後はオンブズマン制度を取り入れることで、

   より行政の動きが見えるようになることが必要だと言われている

   ・オンブズマン制度・・オンブズマンという人を用意して、

              役場や公務員の違法を見張ったり、

              行政への苦情を処理したりする制度のこと

 

 

 ・最近の考え方

  →最近は、官僚制や行政国家が大きくなることへの批判から、

   「小さな政府」にすべき、という考え方が強くなっている

 

   ※「小さな政府」・・政府の経済活動や社会政策への介入を減らす考え方のこと

   ・「小さな政府」の例-・経済活動に関する規制を無くす

              ・行政国家にある、財政や負担を減らしていく

 

  →このような考え方から、様々な行政改革(行政の様々な部分を変えていくこと)が

   必要だとして、多くの考えが提唱された

   ※行政改革の例

    ・行政の無駄をなくす

    ・政府の役割を考え直して、地方分権(政治に関して、地方を重視する)にしていく

    ・公務員制度を、人事や雇用などの様々な面から見直す

    ・特殊法人など、省庁の周りにある様々な法人を根本から見直す

    ・省庁にあるセクショナリズムを見直して、何をすべきか、

     という優先順位をはっきりさせる

     ※セクショナリズム・・自分の組織に執着して、他の組織を排除すること

  

  ※特殊法人と独立行政法人について

   ・法人・・法律上の権利や義務が当てはまる団体のこと

        (例:株式会社、有限会社、学校法人など)

   ・特殊法人・・公共や国家に必要な事業を行うために、

          特別法(一般法よりも優先される法律)を使って作られた法人のこと

   ・独立行政法人・・行政を少なくするために、政府から分離し、

            独立させて行う法人のこと

    →特殊法人も独立行政法人も、天下りなどが問題だと言われている

 

 

ポイント

・官僚制までの流れを押さえる

・官僚制の問題点を押さえる

・日本の行政の問題点と、それに関連する法律を押さえる

・「小さな政府」の考え方を押さえる

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