金融の様々な問題と対策について
金融の様々な問題と対策について考えてみます
・そもそも、なぜ金融に問題が生じるようになったのか
→昔は、護送船団方式というスタイルを採用していた
※護送船団方式・・最も力の弱い金融機関が潰れないように、
最も力の弱い金融機関に歩調を合わせて、
保護や規制などを行う方式のこと
→しかし、金融の自由化が起こったため、金融機関は競争をしなければいけない状況に
なってしまった
・バブル経済の崩壊による様々な金融の問題について
・金融機関が大量の不良債権(回収ができない債権)を抱えてしまい、
経営破綻をする銀行が出てくるようになった
・株式売買高(株式を売り買いする量)が急激に減ったので、破綻する証券会社が出てきた
※証券会社は売買の手数料が大きな収入源の一つだったので、
収入が減って証券会社が潰れるようになった
・銀行が持っていた資産の価値が下がっていったので、自己資本比率も下がっていった
※銀行では、BIS規制を守るために、貸し渋り(お金の貸し出しをとどめること)
という現象が起きた
※自己資本比率・・自己資本と他人資本を足した時の、自己資本だけの比率のこと
→自己資本比率が高いほど企業の財務的安定性が高いと言われている
→自己資本比率に関しては、国際決済銀行(BIS)というところが、
それぞれにおいて一定の比率を求めている
・国際活動を行う銀行・・8%以上 → これがBIS規制
(自己資本比率に対する国際規制)
の基準となった
・国内だけの銀行・・4%以上
・金融の安定化について
→政府は混乱する金融システムを落ち着かせるために、様々な対策を行った
・様々な対策について
・自己資本比率が低下した銀行に公的資金(政府が何かしらの目的で使う資金のこと)
を投入した
・不良債権の処理や、破綻した銀行を立て直すために、様々な条件を変えた
→例・金融安定化2法、金融再生法、という法律を作った
・金融監督庁、金融再生委員会という組織を作った
※・金融監督庁は、その当時の大蔵省から、金融機関の監督・検査部門を
独立させることで作った
・金融再生委員会は、金融機関の破綻の処理を目的として、
その当時の総理府に作られた
→後に、金融監督庁は金融庁になり、金融再生委員会は金融庁に
組み込まれることになった
※政府は、金融を落ち着かせるためには、預金する人の側も規制をする必要があると考えた
→そのために、ペイオフ解禁ということが起きた
・ペイオフ制度・・金融機関が破綻した時に、預金保険機構というところから、
預金の元本(最大1000万円まで)とその利息が
払い戻される制度のこと
→ペイオフが解禁するまでは、金融機関が破綻した時は
預金が全額返ってくることが保障されていた
※金融システムを落ち着かせることを目指す一方で、日本銀行も景気を回復させるために
様々な対策を行った
・様々な対策
・ゼロ金利政策・・日銀が短期の金融市場の金利を0%に近づけた政策のこと
(1999年~2000年、2001年~2006年に行われた)
・量的緩和政策・・通貨量を増やすことを行った政策のこと
(2001年~2006年)
ポイント
・金融の問題の原因を押さえる
・金融の問題を押さえる
・金融システムの安定化のために行った様々な対策を押さえる