日本と北欧諸国の社会モデルの比較―1、社会的支出の比較 1-1社会的支出の大きさとその内訳
前回までは、戦後日本の財政運営のあり方の類型化を試みました。ここからは、福祉国家型財政とはどのようなものなのか、日本との違いは何なのかを検討するために、一般に福祉国家と言われている北欧諸国と日本の社会モデルに焦点をあて、それぞれの比較を通じて社会モデル及び財政構造の違い、これらに起伏する幸福度の違いを浮き彫りにしていきます。
1、 社会的支出の比較
1-1 社会的支出の大きさとその内訳
表4-1 政策分野別社会支出
(対GDP比、%、2009)
項目
国名 |
合計 |
高齢 |
遺族 |
障害、業務災害、傷病
|
保健
|
デンマーク |
30.2 |
8.2 |
0.0 |
4.9 |
7.7 |
フィンランド |
29.4 |
10.2 |
0.9 |
4.1 |
6.8 |
ノルウェー |
23.3 |
7.1 |
0.3 |
4.7 |
6.2 |
スウェーデン |
29.8 |
10.2 |
0.5 |
5.0 |
7.3 |
日本 |
22.2 |
10.4 |
1.4 |
1.0 |
7.2 |
項目
国名 |
家族 |
積極的労働市場政策 |
失業 |
住宅 |
他の政策分野 |
デンマーク |
3.9 |
1.6 |
2.3 |
0.7 |
0.9 |
フィンランド |
3.3 |
0.9 |
2.0 |
0.5 |
0.7 |
ノルウェー |
3.2 |
0.5 |
0.4 |
0.2 |
0.7 |
スウェーデン |
3.7 |
1.1 |
0.7 |
0.5 |
0.7 |
日本 |
1.0 |
0.4 |
0.4 |
0.2 |
0.3 |
出所:OECD Social Expenditure (SOCX)『Social Expenditure – Aggregated data』より作成
http://stats.oecd.org/Index.aspx?datasetcode=SOCX_REF# (閲覧日:2013年10月7日)
表4-1を見てください。表4-1は各国のGDP全体に占める社会的支出の割合とその内訳を表したものです。ちなみに社会的支出とは、社会保障や福祉に関するOECD基準の概念で、ILO基準の社会保障給付費(医療、介護など)に積極的労働市場政策や失業、住宅なども網羅したより広い範囲を表す指標です。まずは社会的支出の合計を見ると、デンマークが30.2%、フィンランドが29.4%、ノルウェーが23.3%、スウェーデンが29.8%、日本が22.2%となっており、ノルウェーは日本とあまり変わらないものの、北欧全体でみれば社会的支出は日本より大きいです。
次に、社会的支出の内訳について見ていきましょう。まずは「高齢」についてですが、これは老齢年金や介護サービス諸費などのことです。デンマークは8.2%、フィンランドは10.2%、ノルウェーは7.1%、スウェーデンは10.2%、日本は10.4%となっており、日本が最も大きいです。「遺族」については遺族年金をイメージしてください。これも「高齢」と同様に日本が最も大きいです。社会的支出の合計のうち、半分近くが「高齢」の項目に支出されていることからもわかるように、日本は社会的支出のうちの多くを高齢者に支出していることがわかります。これについては後述しますが、日本の社会的支出は高齢者世代向けに偏っていると言えます。
次に「障害、業務災害、傷病」を見ましょう。この項目については障害年金や傷病手当をイメージしてください。この項目では日本は北欧に比べて圧倒的に支出が小さいです。「保健」は主に医療の現物給付を表したものですが、これについては日本と北欧で大きな違いは見られません。「家族」については日本と北欧で顕著な差が見られます。「家族」の中身は児童手当や介護休業給付などの現役世代向けの支出となっており、デンマークは3.9%、フィンランドは3.3%、ノルウェーは3.2%、スウェーデンは3.7%、日本は1.0%となっています。「積極的労働市場政策」や「失業」についても「家族」と同様の現役世代向けの支出であり(注;各項目の説明については、国立社会保障・人口問題研究所『社会保障費用統計(平成22年度)』の巻末参考資料「政策分野別社会支出の項目説明」を参照しました)、ノルウェーを除いて北欧諸国は日本より高い数値示しています。
ここまでで見えてきた日本と北欧の違いをまとめると、①社会的支出全体は北欧諸国が大きい②現役世代向けの支出が日本より大きいという2点です。とりわけ②についてわかりやすくまとめたのが表4-2です。
表4-2 現役世代向け支出と高齢者世代向け支出の内訳(%)
項目 国名 |
現役世代向け |
高齢者世代向け |
現役:高齢者 |
デンマーク |
0.473 |
0.526 |
47:53 |
フィンランド |
0.421 |
0.578 |
42:58 |
ノルウェー |
0.429 |
0.570 |
43:57 |
スウェーデン |
0.409 |
0.587 |
41:59 |
日本 |
0.211 |
0.792 |
21:79 |
出所:表4-1をもとに、「高齢」「保健」の2つを「高齢者世代向け」、その他7つを「現役世代向け」に分けたもの。項目の分け方については、『社会保障費用統計(平成22年度)』の巻末参考資料「政策分野別社会支出の項目説明」
http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h22/4/2.html (閲覧日:2013年10月9日)を参考に筆者が分類しました。
表4-2は、表4-1を「高齢」「保健」の2つを「高齢者世代向け支出」、そのほかの7項目を「現役世代向け支出」に分けて表したものです。これによれば北欧諸国は、現役世代向け支出:高齢者世代向け支出=4:6(デンマークに限っては5:5に近い)となっており、ある程度のバランスが取れています。他方の日本は、現役世代向け支出:高齢者世代向け支出=2:8で、高齢者世代向け支出に大きく偏っていることが指摘できます。
参考文献、資料
・神野直彦『「分かち合い」の経済学』岩波書店、2010年
・宮本太郎『生活保障』岩波書店、2009年、72-88頁
・「北欧はここまでやる。」『週刊東洋経済』2008年1月12日号、36-77頁
・OECD,Social Expenditure Database『Public and private social expenditure in percentage of GDP in 2009』
http://www.oecd.org/els/soc/socialexpendituredatabasesocx.htm#socx_data (閲覧日:2013年5月19日)
・国立社会保障・人口問題研究所『社会保障費用統計(平成22年度)』
http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h22/fsss_h22.asp (閲覧日:2013年10月9日)
・同上、巻末参考資料「政策分野別社会支出の項目説明」
http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/fsss-h22/4/2.html(閲覧日:2013年10月9日)
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