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	<title>アラエス &#187; 130万円の壁</title>
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		<title>幸福度の高い社会へ―2､社会保障を通じた経済成長による財政再建2-1労働移動を促す周辺制度の整備</title>
		<link>http://ahlaes.com/post/2015</link>
		<comments>http://ahlaes.com/post/2015#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 24 Nov 2013 07:04:15 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[ルーブル]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[高度成長・平成時代]]></category>
		<category><![CDATA[103万円の壁]]></category>
		<category><![CDATA[130万円の壁]]></category>
		<category><![CDATA[労働移動]]></category>
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		<category><![CDATA[転職インセンティブ]]></category>

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		<description><![CDATA[2　社会保障を通じた経済成長による財政再建 　前回までは、なぜ福祉国家型財政が必要なのかについて検討しました。本節ではより具体的に、社会保障を充実させながら財政再建も達成するには、どこに重点的に配分すべきかについて検討し [&#8230;]<p><a href="http://ahlaes.com/post/2015">幸福度の高い社会へ―2､社会保障を通じた経済成長による財政再建2-1労働移動を促す周辺制度の整備</a> from: <a href="http://ahlaes.com">アラエス</a></p>
]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>
<p>2　社会保障を通じた経済成長による財政再建</p>
<p>　前回までは、なぜ福祉国家型財政が必要なのかについて検討しました。本節ではより具体的に、社会保障を充実させながら財政再建も達成するには、どこに重点的に配分すべきかについて検討します。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2-1　労働移動を促す周辺制度の整備</p>
<p>　労働市場に関わる話の中でもまず第1に重要なのは、労働市場の流動化とそれを支える仕組みの構築です。財政再建を考える場合、税収を増やすことが必須となります。したがって増税が必要になるのですが、日本の場合、高度成長期にひたすら減税を繰り返し、増税という経験をしてこなかったことがあり、租税抵抗が強いです。しかも増税が社会保障ではなく財政再建のためとなればなおさらです。何より現在の膨大な財政赤字を増税だけで乗り切れるとは到底思えません。そこで税収の自然増のために必要なのが、ある程度の経済成長です。</p>
<p>　経済成長を志向する場合、その源泉となるのは労働であり、労働者を需要の大きい産業へと移動させることが重要となります。しかしながら日本の場合、労働移動を促すような施策が十分に行われていない。過去記事でも指摘したように、そもそも失業給付を受給している人が2割しかいないことに加え、受給できたとしても給付内容が貧弱なため、自発的に転職するという選択はしにくいのです。仮に転職するとしても、職業訓練のような積極的労働市場政策に対する支出が著しく低いために、新たな技能を身につけるには自腹を切る必要が出てきます。したがって労働移動は、これまでの蓄積した技能が活かせる企業内もしくは同産業内に留まることが考えられます。つまり、産業を超えた労働移動が起きにくく、労働需要の大きい産業へと労働力が流れない、転職インセンティブの働きづらい仕組みになっているのです。</p>
<p>　また、非正規雇用が増えたことで失業リスクは高まっていると同時に、技能蓄積も難しくなっているので、失業給付や職業訓練は純粋なニーズとしても高まっている。更に言えば、失業給付と職業訓練の充実といった労働市場の周辺制度の整備は、労働市場の参入と退出をスムーズにするので、長期失業者(注；近年、長期失業者は若年層を中心に増えています。「若者の失業　長期化」『日本経済新聞』2012年11月26日付け、夕刊)を抑えることにつながります。長期失業者が多いということは、財政的には支出が増大するということですので、職業訓練によってできるだけ早く労働市場へ参入してもらえることが可能になれば、支出の増大を抑えるだけでなく、働くことでの税収増にも寄与します。</p>
<p>　このように、転職インセンティブと純粋なニーズという両観点から、失業給付、職業訓練の充実は社会的要請だと言えます。ここを整備することは労働市場の流動化、つまり経済成長のために必要なのです。</p>
<p>　第2に、女性が労働市場に参入しやすい環境作りも重要です。図6-2によれば、ノルウェーやデンマーク、スウェーデンは女性の就業率が70％を超えている一方で、日本は60.1％にとどまっています。北欧以外と比較しても、2000年から10年の間で女性の就業率が伸びているとはいえ、日本は全体的に女性の労働力を活用しきれていないことが指摘できます。</p>
<p>　その要因として第1に、子育てと仕事を両立できる環境が整っていないことが挙げられます。内閣府「平成18年版　国民生活白書」によれば、結婚や出産を契機に離職する女性が多く、結婚や出産・育児と就業とを両立させるには大きな壁があると指摘されています(注；内閣府『国民生活白書』、64頁)。出産前に仕事を辞める理由としては、「自分の手で子育てしたかった」が53.6％と飛びぬけている一方で、「両立の自信がなかった」が32.8％、「就学・通勤時間の関係で子を持って働けない」が23.3％、「育児制度が使えない・使いづらい」が17.9％などの、やむを得ず離職する場合も多いです(同白書、65-67頁)。</p>
<p>　これらを解決するには、国としての施策はもちろん、女性が働くのは基本的に企業なのだから、企業内での取り組みも重要になってくるでしょう。実際に民間企業でも、女性が働きやすい環境を整える動きも出てきています(「育児中女性を積極雇用」『日経MJ』、人を活かす会社　富士フィルム首位に」『日本経済新聞』、下記参考文献)。女性の働きやすい環境作りは、国と企業の双方に求められているのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>図6-2　女性の就業率(15-64歳)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(%)</p>
<p> <br /><img src="http://ahlaes.com/wp-content/uploads/2013/11/image0013.png" alt="Image" width="482" height="309" /></p>
<p>出所：労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較』第2-12表　就業率(15～64歳)より作成。1)は16～64歳の値。2)はイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、ポルトガルの15か国。</p>
<p><a href="http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2012/ch2.html">http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2012/ch2.html</a> (閲覧日：2013年11月15日)</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　第2に、税制面でも女性の労働市場への参入を阻害している要因があります。例えば、妻の年収が103万円以下の場合は会社員の夫の税負担が軽くなる配偶者控除(103万円の壁)や、夫が厚生年金に加入している場合には妻の年収が130万円未満なら保険料負担なしで加入できる厚生年金の第3号被保険者の仕組み(130万円の壁)があります。こうした制度は主婦のパートの人がもっと働ける場合でも収入の規定枠を超えないよう就業を調節するようになります。これでは働ける人を労働市場から排除しているのと同じなため、撤廃すべきでしょう。</p>
<p>このように、女性の働きやすい環境を整備することで女性の労働参加を促すという道は、社会保障を充実させると同時に、新たな労働力の参入による税収の拡大につながるので、長期的に見れば財政再建も可能になるのではないでしょうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>参考文献、資料</p>
<p>・宮本太郎『生活保障』岩波書店、2009年、183-187頁</p>
<p>・内閣府『平成18年版　国民生活白書』65-82頁<a href="http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h18/10_pdf/01_honpen/pdf/06ksha0202.pdf">http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h18/10_pdf/01_honpen/pdf/06ksha0202.pdf</a> (閲覧日：2013年11月20日)</p></p>
<p><a href="http://ahlaes.com/post/2015">幸福度の高い社会へ―2､社会保障を通じた経済成長による財政再建2-1労働移動を促す周辺制度の整備</a> from: <a href="http://ahlaes.com">アラエス</a></p>
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		<item>
		<title>福祉国家としての税制のあり方―②</title>
		<link>http://ahlaes.com/post/1095</link>
		<comments>http://ahlaes.com/post/1095#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 20 Oct 2013 02:41:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[ルーブル]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[経済の仕組み]]></category>
		<category><![CDATA[103万円の壁]]></category>
		<category><![CDATA[130万円の壁]]></category>
		<category><![CDATA[アクティベーション]]></category>

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		<description><![CDATA[3　成長分野への投資に伴う税収の自然増 　これまでは税制そのものの改革によって税収を増やそうという考え方に基づいた改革案です。しかしながら、所得税や法人税が景気動向に左右されやすいことや、急速な少子高齢社会の進展に伴う社 [&#8230;]<p><a href="http://ahlaes.com/post/1095">福祉国家としての税制のあり方―②</a> from: <a href="http://ahlaes.com">アラエス</a></p>
]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>
<p align="left">3　成長分野への投資に伴う税収の自然増</p>
<p align="left">　<a href="http://ahlaes.com/post/1092">これまで</a>は税制そのものの改革によって税収を増やそうという考え方に基づいた改革案です。しかしながら、所得税や法人税が景気動向に左右されやすいことや、急速な少子高齢社会の進展に伴う社会保障に対する需要の急増を鑑みると、税制改革の中だけで十分な税収を確保することは難しいと思われます。したがって、税制改革と合わせて何らかの成長戦略を並行して行っていく必要があると思います。</p>
<p align="left">　では、日本における成長分野とはどこか。それは急速な勢いで進展する少子高齢社会の中で需要が増大している、医療や介護などの福祉分野でしょう。総務省統計局『労働力調査』によると、2002年の「医療・福祉」分野は474万人ですが、2010年には653万人まで増加しています。ここまで増加している産業は他にありません。このように、雇用面から見れば医療、福祉分野は成長分野と言えます。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">　一方でこの分野における労働者の待遇はどうなっているのでしょうか。厚生労働省『賃金構造基本統計調査　付属資料』によると、全産業と比較して、福祉施設介護員やホームヘルパーは給与が低く、勤続年数が短く、離職率が高い傾向にあります。また、同資料の「労働条件等の悩み、不安、不満等」に関する調査では、仕事内容の割に賃金が低いという回答が多くを占めています。これではいくら需要が大きくても就職したいとは思えないでしょう。少子高齢社会の進展で今後確実に需要が見込まれるからこそ、労働条件を改善し、より多くの人にこの分野で就職できるよう支援することで、最終的には成長に寄与し、結果として税収の自然増につながるのではないでしょうか。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">4　労働市場の整備による納税者の増大</p>
<p align="left">　第3節と関連した話でもありますが、税収を増やすには少しでも多くの人々に働いてもらう必要があります。しかしながら、日本の労働市場が働きたい、もしくは働きやすいと思えるような状態になっていないのが現状です。例えば、「103万円」、「130万円」の壁です。日本には妻の年収が103万円以下の場合は会社員の夫の税負担が軽くなる配偶者控除や、夫が厚生年金に加入している場合には妻の年収が130万円未満なら保険料負担なしで加入できる厚生年金の第3号被保険者の仕組みがあります。こうした制度は主婦のパートの人がもっと働ける場合でも収入の規定枠を超えないよう就業を調節するようになります。これでは働ける人を労働市場から排除しているのと同じなため、撤廃すべきでしょう。また、こうした制度の面だけでなく、待機児童解消のための保育所等の拡充や、企業内に託児所を設けるための支援なども必要かもしれません。このように、とりわけ女性が働きやすいと思えるような労働環境の整備が急務だと思います。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">　また女性に限らず、職業訓練や失業手当の拡充等によって失業者を早い段階で労働市場へ送り返すような政策も必要です。イメージとしては、デンマークやスウェーデンに見られるアクティベーションです。アクティベーションとは、簡単に言えば失業手当や公的職業訓練、保育所の充実等、労働者が働きやすい環境を政府が積極的に提供することによって雇用を創出しようとするものです。</p>
<p align="left">日本においては、こうした条件が整っていないにもかかわらず労働法制の規制緩和だけを先行したために様々な不都合が生じています。近年失業期間が1年以上に及ぶ長期失業者が増加していることを考えれば、こうした人々に少しでも早く労働市場に戻ってもらう対策が急務です。失業したとしてもできるだけ早く働くことができれば、それは労働者にとって良いことだし、働くということは最終的には税収の増加にもつながっていくと考えられます。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">おわりに</p>
<p align="left">　福祉国家型の税制に焦点を当て、デンマークと比較しながら、日本ではどのような税制を採るのが望ましいか検討することを目的とした本連載において、<a href="http://ahlaes.com/post/708">第1章</a>では、税制を論じる上での基礎知識についてまとめ、所得税、法人税、消費税におけるそれぞれの性質と問題点について検討しました。<a href="http://ahlaes.com/post/995">第2章</a>では、1990年代後半以降のいわゆる「構造改革」の中で行われた減税と労働法制の規制緩和に焦点を当て、その結果として企業活動は成功したものの、国民側から見れば賃金抑制で所得は増えず、消費は停滞し、企業利益と国民生活が乖離している状態を示しました。<a href="http://ahlaes.com/post/1088">第3章</a>では、デンマークと日本の税制について比較し、デンマークは国民負担率が日本と比べてかなり高いということと、税収割合で見た時の主要財源はあくまで所得税で、消費税率25％という高税率でも税収割合は2割で日本と大差がないということを確認しました。本記事では、以上を踏まえた上で、所得税の累進税率強化や課税ベースの拡大、法人税の国際基準の必要性、成長分野への投資に伴う税収の自然増、労働市場の整備による納税者の増大という解決策を提示しました。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">　この連載で検討してきたように、所得税、法人税の減税や労働法制の規制緩和というサプライサイド政策は、結局のところ国民生活に寄与しません。最終的な目的は企業の成功ではなく、国民一人ひとりがある程度幸福と思える社会をつくることであるはずです。そのための手段として、福祉国家という国のあり方は多くのことを示唆してくれます。日本と比較する国としてデンマークを挙げたのも、国民の幸福度ランキングで1位を獲得しているという点で、学ぶべきことは多いと感じたからです。サプライサイド政策の有効性の無さと福祉国家型社会の幸福度の高さを鑑みれば、デンマーク程の高水準の負担を強いるかどうかは国民の判断に委ねるべきだとしても、日本の向かうべき方向性は福祉国家型社会だと思います。</p>
<p align="left">　最後に、この連載では、「税制」という税金をどう回収するかについては多くを論じた一方で、「財政」という税金をどこにどう配分するかについては多くを論じることができませんでした。財政においては、量出制入という原則があります。これは、支出に応じて収入を確定するという原則です。そもそも財政とは公的な需要を満たすための存在であるから、まずは財政民主主義の原則のもとでこれらのニーズを確定することから論じる必要があったかもしれないと思っております。今後は、税金をどこにどう配分するかについて学び、深めていくことを課題としたい。</p>
<p align="left"> </p>
<p align="left"> </p>
<p align="left">参考文献、資料</p>
<p>・小此木潔『消費税をどうするか―再分配と負担の視点から』岩波新書、2009年、109-112頁</p>
<p>・「『非正規』労働を考える２　負担増と向きあって　大沢真知子さん」『朝日新聞』2012年3月30日付け、朝刊</p>
<p>・宮本太郎『生活保障』岩波書店、2009年、143-145頁。</p>
<p>・厚生労働省『賃金構造基本統計調査(平成19年度)、付属資料』<a href="http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0718-8c.pdf">http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0718-8c.pdf</a>　(閲覧日：2013年1月10日)</p>
<p>・総務省統計局『労働力調査　第4表　主な産業別就業者数』<a href="http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm">http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm</a>　(閲覧日：2012年12月11日)</p></p>
<p><a href="http://ahlaes.com/post/1095">福祉国家としての税制のあり方―②</a> from: <a href="http://ahlaes.com">アラエス</a></p>
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