地域の視点からのラテンアメリカの考察
地域の視点からラテンアメリカを考えてみます
・ラテンアメリカの地域区分について
・ラテンアメリカは、ブラジル南東部、ラプラタ川河口、太平洋岸からカリブ海岸にかけての
地域に人が多い
※このあたりの地域に、人口100万人以上の大都市も集中している
・ラテンアメリカで人口が集中していない地域は、熱帯林や高山があり、
農耕や居住に適していない
・アルゼンチンやウルグアイなどでは、ヨーロッパ系の人々が多く分布している
・先住民は、人口が少ないアンデスの高地や熱帯林地域に住んだ
・太平洋側では、メスチーソを始めとして、様々な混血も進んでいる
※メスチーソ・・ラテン系民族と先住民の混血のこと
※ムラート・・白人と黒人の混血のこと
=以上のようなことをふまえて考えると、
ラテンアメリカは以下のような地域区分が出来ると考えられる
・ラテンアメリカ北部・・人口密度が高く、混血が多い
・ラテンアメリカ中部・・人口密度が低く、熱帯林地域で、先住民が多い
・ラテンアメリカ南部・・人口密度が高く、草地または耕地で、ヨーロッパ系が多い
・ラテンアメリカの地域区分のそれぞれの特徴について
・ラテンアメリカ北部
→・マヤ文明、アステカ文明、インカ文明などの文明が栄えていた
・16世紀にスペイン人やポルトガル人が先住民を征服して支配者となり、
労働や使役などで先住民が激減した
→すると、今度はアフリカの人達を奴隷としてラテンアメリカに連れてきた
→その後、農業開発などのために、日本やインドなどからの移民を受け入れていった
→そのため、北部の多くの国は、様々な民族の構成になっている
=その結果、先住民と移民との間で混血がすすみ、
「人種のるつぼ」と言われるようになった
・ラテンアメリカ中部
→・先住民が住民の中心となっている
・この地域の人達は、ヨーロッパの侵略を受けた後も、地域の固有の言語の使用、
焼畑を行うなど、独自の文化を受け継いできた
・ブラジル政府が、1970年代から積極的にアマゾン開発を進め、
森林に頼っていた先住民の生活基盤を奪うという問題が起きたことがある
・ラテンアメリカ南部
→・アルゼンチンやウルグアイなどでは、ヨーロッパのような、
格子状の街路と広場を持つ都市が作られた
・狩猟をしていた先住民がまばらに住む草原だったが、
ヨーロッパからの移民が先住民を追いやって農牧地にした
・企業が牧畜や穀物栽培を行う地域が広がっている
・ラテンアメリカの課題について
・ラテンアメリカは、経済面での地域間の格差が激しい
※ブラジルでは、国内の中でも比較的豊かな南東部と、
貧しい北東部との間で格差が生まれている
・ブラジル南東部からアルゼンチンまでの比較的豊かな地域はヨーロッパ系の人々が多く、
人口密度が高い地域と重なる
・貧しい地域の農村から、出来るだけ豊かな地域の都市へと人々が流入している
→そのため、各国の首都や大都市で人口が爆発的に増加している
※この動きは、富を都市に集中させ、人口の少ない地域の開発を
より遅らせるということが起きる
=そのため、このような動きは、格差をさらに拡大させる悪循環につながる
と言われている
ポイント
・ラテンアメリカの地域区分についておさえる
・ラテンアメリカの地域区分のそれぞれの特徴についておさえる
・ラテンアメリカの課題についておさえる
このあたりが今回のポイントです