政治の根本について -政治の基本・民主主義・社会契約説・政治権力の分立-
そもそも政治とは何か、政治権力、民主主義、権力分立という部分を中心に考えてみます
・政治とは何か
・政治・・社会にとって共通の事柄を取り扱う活動のこと
→政治にとって、最も重要な枠組みは国家(政治社会)だと言われている
→国家は、領域、国民、主権という3つのポイントがある
※国家の主権が使える範囲として、領土から12海里(=領海)と
領土から200海里かつ領海を差し引いた場所(=排他的経済水域)などがある
→これらは、国連海洋条約という条約で定められている
・政治の目的
・自分の国の社会の規律やルールを維持すると同時に、他国や自然災害など、
自国の周りの攻撃から自分の国を守ること
=このような考え方は、平和の実現と呼ばれる
・個人レベルではできないこと(教育や社会保障、公共事業など)を行う
=このように、個人レベルではできないが、社会に利益をもたらすものを、
公共の利益という
→・平和の実現に重点を置くように、最低限のことだけをする国(国家)を夜警国家と呼ぶ
・公共の利益に重点を置くように、様々なことを政府が中心となって行う国(国家)を
福祉国家と呼ぶ
・政治の権力はどこに置くべきか、民主主義の考え方
・政治権力を考える背景について
・政治が適切に機能するためには、政治権力を持っている人が必要になる
=政治では、人が人に命令を出す、という力関係が生まれる
→そこで、政治権力は、誰がどのように持つのが良いか、ということが問題となり、
考えられるようになった
※政治権力・・政治を適切に機能させるために、状況次第では強制的にでも
政策を行わせようとする権力のこと
・民主主義とそれ以前の政治のスタイルについて
・昔・・不平等な身分制度によって政治が行われていた
・民主主義・・自然権(自由で平等という、人間が生まれた時から
持っている権利のこと)の考え方を土台にした
※では、民主主義的な政治の根本はどこにあるのか・・
・自然権を土台にした考え方として社会契約説があり、社会契約説は
人間が国家とお互いに結ぶ契約(社会契約)によって、
権力の関係が生まれると考えられていた
→社会契約説がこのような考え方のため、社会契約説では、
国や政治の権力は個人が作ったと考えた
=この考え方が民主政治の根本だと言われている
・権力の分立について
・社会契約説の考え方をベースに考えると・・
→・権力を最も持っている人は人民(社会契約に参加している人々)である
・人民が憲法(社会で最も基本となるルールのこと)を
決める必要がある(=憲法制定権力)ということが言える
※この考え方の場合、もし政治を行う権力も人民が持ってしまうと、
人民が憲法と政治権力を同時に自由に操ることができるようになるため、
人民が2つの権力を同時に使って、独裁のようなことができるかもしれない
→そこで、憲法を操る人民と、政治を行う権力を持つ人は
別々にしなければいけないと考えられた
=その時に生まれた考え方が、権力分立の原則だった
※権力分立の原則について
・権力分立の原則とは・・それぞれの権力を持っている人達が、他の権力を監視したり、
抑制したりする原則のこと
→この原則は、権力が乱用されることを意識して作られ、憲法の中に組み込まれている
→権力分立の原則に関連する代表的な人に、ロックとモンテスキューがいる
・ロックとモンテスキューの権力分立の考え方の違いについて
・ロック・・権力を、立法権、執行権、同盟権の3つに分け、
立法権を優先させる形が良いと考えた
・モンテスキュー・・ロックの考え方を発展させて、立法、司法、行政の3つに分けた
=この考え方を、三権分立という
※三権分立と人民主権を組み合わせたものは、アメリカ合衆国憲法に含まれている
・民主政治と権力分立の関係について
・民主政治では、国民が政治に参加することが憲法で決まっている(間接民主制など)
・権力分立は、お互いを監視する効果がある
→この2つを組み合わせることで、「法の支配」を行い、
人々の利益を確保しようとすることができると考えられている
※「法の支配」・・統治する人もされる人も全員が法律に従う原理のこと
→以上のことを総合すると、民主主義とは・・
・様々なルールのもとで、国民が国民の生活をよりよくしていく政治の方法のこと
だと考えられる
ポイント
・政治の枠組みと領海、排他的経済水域を押さえる
・平和の実現、公共の利益、夜警国家、福祉国家を押さえる
・政治権力の背景、自然権、社会契約説の考え方を押さえる
・ホッブズ、ロック、ルソーの考え方は、細かいところまで押さえる
・権力分立の原則、ロックとモンテスキューの考え方を押さえる
・民主政治と権力分立の関係を押さえる