国民主権を中心とした様々な考え方について -国民主権・参政権・議会制民主主義・多数決原理・権力分立-
国民主権と議会制民主主義について考えてみます
・国民主権について
・国民主権とは・・国の政治の方針を国民が決めるという考え方のこと
※国民主権は、世界各国が近代に移る時に起きた市民革命によって考えられるようになった
→それまでは、王様や天皇が主権を握っていた
・そもそも主権とは
→以下の3つの権利をまとめた呼び方のこと
①国家の統治権(国家を支配する権利のこと)
②国家権力の中で最も強いもので、さらに独立している権利のこと
③国の政治の方針を最終的に決定する権利のこと
→国民主権が広がってきたことによって、民主主義という考え方も広がっていった
※民主主義(民主政治)・・国民主権と基本的人権の尊重の2つを
土台として行う政治のこと
・国民主権を使って、具体的にどのように政治に参加するのか
→国民全員が予算や法律などについて、毎回全員が集まって話し合うということは不可能
→そこで、国民の中から代表(国会議員や大統領)を選び、
その代表を通して政治に参加する
=国民が代表を選ぶ形で、政治に参加することになる
=そのため、国民には参政権(選挙権)が与えられている
※このように、自分から積極的に政治に参加する人々のことを市民という
また、昔は参政権を持つことが出来る人に制限があった
→上のように、国民の中から代表を選んで、その代表が中心となって
政治を進めるスタイルを議会制民主主義と言う
※議会制民主主義が出来る前は、人口が少なく、国の面積が小さかったので、
代表を選ばなくても国民が直接話し合いなどを行う事が出来た
=このように、国民が直接話し合う政治のスタイルを直接民主主義と言う
・参政権について
・参政権は、昔は税金を国に納める人だけが持つことが出来る資格だと考えられていた
(税金を納めている人しか、国の政府の活動を支えることになっていないから)
→そのため、昔はお金持ちの男子だけ、と限定されてしまっていた
→しかし、国民が少しずつお金を持ってくるようになると、
納税の額に関係なく選挙権を持つことができるようにすることを
求める運動が起こるようになってきた
=この運動などによって、最終的に普通選挙制が生まれた
※普通選挙制・・全ての男女の成人に参政権を与える制度のこと
※参政権を求める運動として代表的なものに、
イギリスのチャーティスト運動というものもある
・チャーティスト運動・・1830年代の後半から始まった、
イギリスの労働者の人達が選挙権を求めるための運動のこと
※参政権に関する動きとして、リンカーンの演説というのがある
・リンカーンの演説・・「人民の人民による人民のための政治」という言葉を残した
→国民主権を中心とした民主政治が大切だと考えた
・多数決原理について
・多数決原理とは・・多数の方の意見を、その全体の意見だとすること
ex:AとBの意見があり、そのクラスではAに賛成が多かったので、
そのクラスの意見をAにする
→なぜ、多数決原理が考えられるようになったのか
=理想は意見が全員一致することだが、それは不可能なので、
現実的に考えた時に、多数決が良いだろうとなったから
※ただし、多数決原理については、合意を目指す努力、
少数意見の尊重なども大切なのではないかと言われている
・合意・・全員が納得するように、意見が一致すること
・少数意見の尊重・・多数決原理で少数になった時の意見は、無視されがちだが、
少数の意見をもっと配慮していく必要があるのではないのか、
という考え方のこと
・権力分立について
・権力分立とは・・権力を様々な機関に分けることで、
権力が集中して限度を超えた権力の使い方になる状況を防ぐこと
→権力分立を考えた人の中で、代表的な人に、ロックとモンテスキューがいる
・ロックの考え方
→立法権(法律を作る権利)と執行権(法によって政治を行う権利)を分けて、
立法権を優先するのが良いと考えた
・モンテスキューの考え方
→国の権力は、立法権、執行権、裁判権(法律を使って争いを裁く権利)の
3つに分けるのが良いと考えた
=モンテスキューは、チェック-アンド-バランスをすることで、
権力が集中したり、むやみに使われたりすることを防ぐのが良いと考えた
※チェック-アンド-バランス・・それぞれの権力が、お互いに抑制し合って、
権力についてつり合いの取れた状態を
目指すような状態のこと
→このように、3つの権力がチェック-アンド-バランスを行う状態を、
三権分立と言う
ポイント
・国民主権を中心とした様々な考え方を押さえる
・参政権を押さえる
・多数決原理を押さえる
・権力分立を押さえる