基本的人権の保障について④ -人権を守るための権利と国民の義務について-
基本的人権について、人権を守るための権利と国民の義務を中心に考えてみます
・人権を守るための権利について
・憲法で保障されている権利
→・裁判を受ける権利
(自分の権利が邪魔されて損害を受けたと考える場合に認められている)
・損害賠償を請求する権利
(公務員に自分の権利を邪魔されて損害を受けた場合に認められている)
・刑事補償を受ける権利
(抑留や拘禁(ある程度の期間、刑務所などにとどめられること)された人が
裁判で無罪になった場合に認められている)
・政治や政策などによって権利を実現することを目指すための権利
→・代表的なものに、参政権(国民が政治に参加する権利のこと)と
請願権(様々なことに対して国や地方公共団体にお願いすること)が挙げられる
・憲法改正の時の国民投票
・最高裁判所裁判官の国民審査(最高裁判所の裁判官は、誰がいいのか、
ということを国民が審査する)
・一部の自治体だけに適用される特別な法律に対して、住民が投票して審査をできる
・基本的人権の他人との調整について
・基本的人権を使う時に、人権を守る権利はあるとしても、他の人との権利を
どのように調整するべきか、という問題が発生する
→その時に、公共の福祉という考え方が使われる
※公共の福祉・・社会全体の利益になるような考えや行動のこと
※公共の福祉について
・昔、ドイツのナチス政権が、「公共の福祉は個人の利益に優先する」という考え方のもと、
独裁政治を行ってきた
→この例からもわかるように、公共の福祉が、人々の自由や権利を
奪ってしまう可能性がある
→だから、その時と場合で、なぜどのように公共の福祉が使われているかを
考えることが必要だと言われている
・国民の義務について
・国民の義務として、日本では3種類が設定されている
→・納税の義務(税金を納める義務)
・子どもに普通教育を受けさせる義務
・勤労の義務
ポイント
・人権を守るための権利として、憲法では、裁判を受ける権利、損害賠償を請求する権利、
刑事補償を受ける権利がある
・政治や政策からの面では、参政権、請願権、国民投票、国民審査、住民投票などがある
・他の人との基本的人権を調整するために、公共の福祉という考え方が使われる
・国民の義務として、納税、勤労、子どもに教育を受けさせる義務がある