基本的人権の保障について⑤ -新しい人権について-
基本的人権について、新しい人権を中心に考えてみたいと思います
・新しい人権について
→新しい人権として、環境権、プライバシーの権利、知る権利、アクセス権などがある
・環境権について
・環境権とは・・環境を全員の財産と考えて、人々が環境を受け入れることができる、
という権利のこと
→環境権の例として、嫌煙権、景観権などが挙げられる
・環境権が出来た経緯・・公害の発生が多くなり、空気や水などの生活に必要なものが
危険になってしまった
→そこで、生存権、生命、自由、幸福追求権の保障のために、
環境権が考えられるようになった
・環境について、地方公共団体の一部では、環境アセスメント(環境影響評価)を
義務付けているところがある
→国では1997年に環境影響評価法が作られた
・プライバシーの権利について
・プライバシーの権利とは・・個人情報がやたらと公開されないように、
自分で個人情報をコントロールする権利のこと
・プライバシーの権利が出来た経緯・・情報化社会が進んだことで、それまでの法律だけでは
個人情報を守りきれなくなってしまった
→そこで、「個人の尊厳」を重視した
プライバシーの権利が主張された
・地方公共団体ではプライバシー保護条例が出されて、国では個人情報保護法や
個人情報保護関連5法を作った
※個人情報保護法でマスコミの報道の規制が心配がされていて、
国民の「知る権利」を侵害する、という意見もある
・最近では、通信傍受法の制定なども進んでいるが、プライバシーの権利との関係が
問題としてある
※通信傍受法・・犯罪捜査の時に、警察などの機関による
通信の傍受(無線通信を本来の通信相手ではない人が受信すること)
を認める法律のこと
・知る権利について
・知る権利とは・・国民が政府の情報などを自由に提供してもらえることができる権利のこと
・知る権利が出来た経緯・・国民が政府を動かすためには、政府の持っている情報が
分からないといけない
→そのため、「表現の自由」を土台に、
知る権利が考えられるようになった
・最近では、地方公共団体で情報公開条例、国で情報公開法が施行された
※情報公開法は、法律の内容で知る権利について書かれていない、
という問題がある
・アクセス権について
・アクセス権とは・・多くの人がマスメディアに参加して、
マスメディアを利用する権利のこと
・アクセス権が出来た経緯・・現代の日本では、マスメディア自体が大きくなってきている
→そこで、言論の自由を土台とした、
アクセス権が必要だと考えられるようになった
・アクセス権は、反論や意見広告の要求などの形で使われることが多いと言われている
※最近では、知的財産権などが見直されている
・知的財産権・・人々の幅広い活動によって作られたものに対して
一定期間与えられる財産としての権利のこと
ポイント
・新しい人権として、環境権、プライバシーの権利、知る権利、アクセス権などがある
・環境権の内容、経緯、環境アセスメントを押さえる
・プライバシーの権利の内容、経緯、個人情報保護法などを押さえる
・知る権利の内容、経緯、情報公開法などを押さえる
・アクセス権の内容、経緯などを押さえる
・知的財産権が注目されている