基本的人権と人権に対する考え方について
人権について、基本的人権を中心に考えてみます
・人権について
・人権とは・・生命、自由、平等など、社会や国家が尊重するべきで、
人間が当然のように持っている権利のこと
→現代では、様々な問題があるので、人権を改めて考え直すことが大切だと言われている
・人権についての考え方と社会契約説について
・社会契約説の考え方が生まれるまでの流れについて
・人権という権利は、近代民主主義が出来た時に考えられるようになった
※中世より前の社会
→多くの人々が奴隷として扱われていたので、人権がなかった
・17~18世紀のヨーロッパ
→王権神授説が中心になった
※王権神授説・・王様の権力は神から授かったものなので、
人々は王様に従うのが当たり前だという考え方のこと
→王権神授説の考え方が強かったので、国の王様の権力は、
国外でも、国内でも、他の誰にも邪魔されない、最強の権力だった
=このように、王権神授説を中心としたスタイルのことを
絶対主義(絶対君主制)という
・その後
→ロック、ルソー、ホッブズという人達が王権神授説を否定した
=その時に出てきた考え方が社会契約説だった
・社会契約説とは・・政治が存在する社会以前の状態(自然状態)や、
人間が生まれた時から持っている権利(自然権)とは
どのようなものかを考え、自然状態の良くない部分を
修正するために人々が社会と契約(社会契約)をすることで
国家の権力を作ったとする考え方のこと
※社会契約説は、人によって考え方が違ったが、自然権を軸にして
国家の成り立ちを考えるという点は同じだった
→社会契約説が考えられるようになった時に、「法の支配」という考え方も出てきた
・法の支配について
・「法の支配」とは・・社会をまとめるためには、法律を用いるべきだという考え方のこと
(ただし、この考えの中には、社会をまとめる人が
法律を勝手に変えてはいけない、という意味も含まれている)
※ドイツには法治主義という考え方があり、法治主義という考え方は
「法の支配」と同じように法律を重視したが、社会をまとめる人が
変えてはいけない、という部分よりも、権力の使い方が法律に合っているか、
という部分が重要だった
→このような考え方から、「法の支配」の反対を、「人の支配」と言う
・それぞれの国の基本的人権と人権に対する考え方について
・基本的人権を考える上で代表的なものに、アメリカ独立宣言、フランス人権宣言、
ドイツのワイマール憲法などがある
※基本的人権とは・・人間が人間らしく生きるための基本的な権利のこと
・アメリカ独立宣言(1776年)について
→この宣言では、生命・自由および幸福追求を、天から与えられた人権だとした
・フランス人権宣言(1789年)について
→この宣言では、自由・所有権・安全および圧制への抵抗を、自然権だと考えた
・ドイツのワイマール憲法(1919年)について
→社会権(自由権を補うための権利のこと)を初めて取り入れた
・人権の保障に対する考え方は、産業革命以前と以後で大きく変わったと言われている
・産業革命以前
→自由権(個人の様々な面での自由を保障する権利のこと)を重視した
→自由権の重視のためには、国が国民に対して様々なことを行うと、
国民の自由を奪う可能性があるので、
国民に対して、あまり多くのことを行わない方が良い
=このように、人々の自由の重視のために、国が国民にあまり関わらないような
国家のスタイルを夜警国家と言う
・産業革命以後
→社会権が重視されるようになった
→社会権を保障するためには、国が国民に対して保障の制度を作ったり、
福祉の充実を行ったりする必要がある
=このように、社会権の保障のために、国が国民に対して
積極的に関わっていくような国家のスタイルを福祉国家と言う
ポイント
・人権と人権についての考え方を押さえる
・社会契約説と「法の支配」を押さえる
・基本的人権の流れを押さえる