世界最初の産業革命とその波及について
産業革命と産業革命の波及について考えてみます
・世界最初の産業革命について
・イギリスでは、近代の初期から商工業が発達した
→そのため、豊かな国内市場と有利な投資先を求めるための資本が
イギリスには用意されていた
・また、イギリスでは国家が重商主義政策を取った
※その裏で、17世紀にオランダ、18世紀にフランスを破って
広大な海外市場を確保していった
→一方で、市場向けの生産を目指す農民が発達した
=上のような動きは、産業革命期に急増する都市の人口を支えることになった
・イギリスでは、大地主は中小農民の土地や村の共同地を合わせて大規模な農地を作った
※これを第2次囲い込みという
→その後、進んだ技術を持った農業資本家に大規模な農地を貸し出して
経営させるということを行った
=この出来事を、農業革命という
※土地を失った農民は、農業労働者や都市の工業労働者となった
※さらにイギリスは、石炭、鉄などの資源に恵まれた
※さらに、17世紀以来、自然科学と技術の進歩もめざましかった
→上のような条件が整っていたイギリスでは、新しい生産技術が発明されれば、
この新しい生産技術を応用して工業生産の拡大に役立てることが出来た
=そのため、イギリスは世界で最初の産業革命を経験することになった
※ただし、18世紀末のイギリスの経済成長率は、
まだそんなに高いわけではなかった
・産業革命の波及について
・産業革命の結果、イギリスは良質で安価な工業製品を大量に
ヨーロッパ内外の市場で売りさばいた
=その結果、イギリスは「世界の工場」の地位を獲得した
→世界の工場は、最初ヨーロッパの国々を圧迫した
※しかし、ナポレオンが死んだ後に、イギリスが機械技術の輸出を解禁する
ということが起きた
=その結果、最初にベルギーやフランスに産業革命が波及した
※当時のフランスは、イギリス製品の流入を関税で防ぎつつ工業発展を目指していた
→しかし、フランス革命で小農民が増え、工業労働力が不足し、資本の蓄積も遅れていた
=そのため、資本主義の発達の速度も遅かった
・ドイツやアメリカでは、ベルギーやフランスに若干遅れる形で産業革命が始まった
→19世紀の後半には、国家の保護のもとに重工業や化学工業が発展した
※やがて、イギリスを追い越すようになった
・ロシアと日本は、19世紀の終わりころから産業革命に入っていった
・イギリスは、ヨーロッパだけでなく、世界の市場形成に主導的な役割を果たした
※特に、イギリスの自由貿易によってアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどは
従属的地位に置かれた
=結果的に、これらの様々な地域に民族運動が起こる原因の一つになった
ポイント
・イギリスで産業革命が始まるまでの流れについておさえる
・産業革命の波及の様子についておさえる
このあたりが今回のポイントです