帝国主義について
帝国主義について考えてみます
・帝国主義について
・産業革命を達成したイギリスを追う形で、ヨーロッパ大陸の国々やアメリカ合衆国でも
産業革命が進められた
・なかでも合衆国とドイツは、19世紀の後半になると、近代科学の成果を生かした工業部門や
新しい技術を発展させた
→そのため、アメリカとドイツが世界を引っ張っていくようになった
※最初の産業革命は、石炭と蒸気力を動力として、軽工業や製鉄業の分野で起きた
→しかし、新しい工業や技術は、石油と電力を動力にして、
重化学工業などの非鉄金属部門を生み出した
=そのため、新しくなった産業革命を第2次産業革命という
→第2次産業革命の工業部門の建設には、巨額の投資が必要だった
=そのため、資本を提供する銀行と結びついた少ない巨大企業が、市場を支配する傾向が見られた
・急速な工業化は、以下のような動きを見せることになった
→・工業労働者の数を増やした
・都市化を進めていった
・農業や中小企業を圧迫した
・人々の生活基盤や生活環境を大きく変えた
・工業化によって今までの伝統的な経済基盤を壊された多くの人は、
移民となって国を離れた
※そのため、19世紀の後半からは、ヨーロッパ大陸からアメリカ合衆国への移民が
急激に増えた
・大きな国の資本主義が発達していくと、お互いの国や企業同士での競争が激しくなった
→すると、国の将来の発展を考えた場合の資源供給地や輸出市場として、
植民地の重要性が見直された
※不況が続いた1870年代以降は、以下のような動きが見られた
・主要国と植民地との結びつきが強くなった
・まだ植民地になっていない地域を占拠しようとする動きが高まってきた
・植民地に対する意識が高まった背景として、以下のようなことが挙げられる
→・欧米の国々の中で、ヨーロッパ近代文明を重視し、ヨーロッパ以外の地域の文化を
軽視する動きが出てきた
・ヨーロッパ以外の地域の制圧や支配を簡単にする交通や情報の手段が発達した
・軍事力が特に重要視された
※1880年代以降からは、様々な強い国はアジアやアフリカに殺到して、
植民地や勢力圏を作っていった
=この動きのことを帝国主義という
→帝国主義時代には、以下のような各国の動きが見られた
・工業力や資本力のあるイギリス、フランス、ドイツの列強は上位に立った
・多民族国家をして民族運動にぶつかったロシア、オーストリアは下位になった
・工業化が遅れていたイタリアも下位になった
=帝国主義時代には、国によって格差が生まれたと言える
・20世紀に入ると、ドイツがほかの列強の植民地や勢力圏の再分配(再分割)を要求した
※この時、特にイギリスとの対立を深めていった
=列強間の帝国主義的対立は、第一次世界大戦勃発の大きな要因になった
※ただし、列強間の紛争や対立の場所は、長い間、アジアやアフリカの地域、バルカン半島など
ヨーロッパの周辺地域に限定されていた
→そのため、第一次世界大戦前の半世紀間は、ヨーロッパの中心部では戦争が起こらなかった
=そして、19世紀の終わりから好景気が続き、ヨーロッパの国々は一大繁栄期を迎えた
・列強の主な都市では、世紀末文化と言われた成熟した市民文化が広がっていた
・近代文明や化学の進歩への信頼にも支えられて、未来を楽観的にみる雰囲気が強まった
※大戦前の十数年間は「ベルエポック」(すばらしい時代)と言われていた
ポイント
・帝国主義の概要についておさえる
・帝国主義の内容と各国の動きについておさえる
このあたりが今回のポイントです