日本の政治の仕組みについて⑤ -司法と裁判所について②-
司法と裁判について、違憲立法審査権と司法改革を中心に考えてみます
・違憲立法審査権について
・違憲立法審査権とは・・裁判所が裁判を通じて、全ての法律や規則、処分などが
憲法に違反していないかということを判断する権利のこと
※違憲立法審査権は、全ての裁判所が使うことができるが、
最終的に憲法に違反していないかの決断を出すのは最高裁判所しかできない
→このことから、最高裁判所は「憲法の番人」と言われている
・違憲立法審査権と「憲法の番人」について
・最近は違憲立法審査権について、2つの意見が対立している
→・政治の色が強い行動に関しては違憲かどうかの審査はするべきではない
という考え方
=この考え方を統治行為論という (例:衆議院の解散など)
・違憲立法審査権を抑えすぎてしまうと、裁判所の役割が弱くなってしまう
という考え方
・憲法では、「憲法の番人」である最高裁判所は、国民が監視することが必要
だと考えている
→そこで、現在では最高裁判所の裁判官に対して国民審査を行う、という制度がある
・司法制度の改革について
※なぜ司法の改革が必要だと考えられるようになったのか
・日本の裁判は、時間がかかってしまい、権利など関して問題が出てくると言われている
→そこで、司法制度改革審議会というところが司法について様々なことを考えた
・考えた例‐・法曹三者を増やす
・ロースクール(法科大学院)という大学院の設置
・裁判に国民が参加するように、裁判員制度を作る
・裁判を早くする
・司法書士(裁判所や検察庁などに提出する書類を作る人)の見直し、など
→このような改革を司法制度改革と言い、その一環として2004年に裁判員法が作られた
・裁判員制度について
・裁判員制度とは・・裁判に国民が裁判員として参加する制度のこと
※裁判員法を土台に、2009年5月から始まった
・裁判員制度では刑事事件だけを扱い、その事件の有罪か無罪かと刑罰の重さを決める
→決めるときは、過半数を超えた意見が採用される
(ただし、過半数のほうに最低1人は裁判官がいないと、その意見は採用されない)
・裁判員制度では、裁判員6人と裁判官3人で裁判が行われる
・裁判員は選挙権を持っている人(20歳以上)の中から抽選で選ばれる
・裁判員は第一審だけに関係し、守秘義務(自分が参加した裁判について、
他に情報を流してはいけないこと)がある
※欧米では、陪審制や参審制を採用している国が多く、日本の裁判員制度は参審制に似ている
・陪審制・・一般市民が法律の判断をしてしまう制度のこと
・参審制・・一般市民と裁判官の話し合いによって決められる制度のこと
ポイント
・違憲立法審査権と「憲法の番人」について押さえる
・司法改革、裁判員制度を押さえる