財政再建の歴史・税負担の公平化と公共事業について
財政について、歴史などを中心に考えてみます
・財政再建という考え方について
→1980年代の日本の財政の最大のポイントは財政再建だと言われていた
・財政再建の流れと経緯について
・1973年の石油危機の後に、政府は赤字国債を発行しないとやっていけない状況になった
→そのため、国債がどんどん増えて行って、財政危機(財政が危険な状態)
という事態になった
・財政危機に対して、政府が一般消費税(消費財にかかる税金)をかけようとしたが、
国民に反対されたのであきらめた
・そこで、政府は財政改革というものを行い、同時に行政改革というものも行っていった
・上の結果、財政収支が回復し始めた
※1990年の時の予算の中身は、赤字国債の発行がゼロで、国債依存度というのが
10%以下になった
・しかし、バブル崩壊後の不況の状況だったので、また国債が増え、赤字額も増えていった
・そこで、政府は1997年に財政構造改革法という法律を出して、
財政の立て直しを目指したが、アジア通貨危機という問題が発生して、
日本にも影響して、ダメージを与えてしまったので、改革が中止になった
※結果的にプライマリーバランスがどんどん赤字になっていった
・プライマリーバランス・・財政収支から、国債の費用と国債による収入を除いた、
基礎的財政収支のこと
→このような状況だったので、ちょっとした改革だけでは対応しきれなくなり、
根本的な改革というものが必要になった
※ただし、現在の日本は、少子高齢化があったり、海外との交流が増えていたりと、
支出が増える傾向にある
→そこで、収入をどのようにして獲得していくかが問題として見られるようになった
=そのため、収入の仕組みと支出の仕組みを考え直していくことが必要だと言われている
・最近注目されている財政の動きと考え方について
→代表的なものに、税負担の公平化、公共事業の見直しなどが挙げられる
・税負担の公平化について
・基本的に税金の負担は公平になっていることが原則だと言われている
→そこで、公平について、垂直的公平と水平的公平という2つの見方がある
・垂直的公平・・所得や資産などの格差を修正する、という見方
・水平的公平・・どのような職業であろうと、同じくらいの収入がある人からは、
同じように税金を取る、という見方
※そもそも、なぜ「公平化」ということを考える必要があるのか
→日本は、職業によって、国税庁が所得をどれくらい把握しているかが違う
例・・源泉徴収(サラリーマンなど)・・10割
自己申告(自営業など)・・5割
農業の人達・・3割
→このような現状から、トーゴーサン(10・5・3)と言われて、
不公平感を表す言葉になっている
※この言葉は、クロヨン(9・6・4)と言われることもある
・公共事業について
・昔の財政制度は、無駄な公共事業が多く、それをどのようにして無くしていくか
が問題だと考えられた
※無駄な例-・全然使われない施設が作られる ・目的が良く分からない公共事業をする
など
→このような無駄を無くす、という目的で行財政改革というのが行われ、
特別会計を見直した、財政投融資計画というのが作られるようになってきている
※しかし、行財政改革によって、特殊法人という法人が、以前は財政投融資の資金で
行っていたにも関わらず、金融市場を使って、
自分で資金を稼がなければいけないことになった
ポイント
・財政再建の流れを押さえる
・税負担の公平化の見方を押さえる
・公共事業の無駄を省く考え方を押さえる