財政について -財政の概要・租税と公費-
財政について考えてみます
・財政について
・前提として、政府(中央政府と地方政府)は、経済主体の1つなので、
収入を得て、支出をする、ということを行う
→・この時に、政府が収入と支出を行う活動のことを財政と言う
※財政は中心が何かによって、国家財政(中央財政)と地方財政の2つに分かれる
・一回の会計年度の中での、全ての収入を歳入、全ての支出を歳出をと言う
(日本では、会計年度は4月1日から3月31日までを1つの年度としている)
→政府は、歳入と歳出を管理するために、会計を設置してあり、会計は大きく2つに分かれる
・一般会計・・基本的な収入と歳出を総合的に管理する会計のこと
・特別会計・・特別な事業のために、一般会計とは別に用意した会計のこと
・政府は毎年、一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算を作って、
国会に提出して、国会の承認を得て実行する
→この時、本予算と補正予算の2種類がある
・本予算・・国会の審議と議決を通って、次の年から使われる予算のこと
・補正予算・・ある年の途中で、本予算の追加や変更をする必要が出てきた時に、
国会の議決を通って、修正をされた予算のこと
・政府は、予算編成と一緒に、毎年、第二の予算と呼ばれる財政投融資計画
というものが作られる
※財政投融資・・政府が市場から集めたお金と税金を組み合わせた資金を、
特別会計や独立行政法人、地方公共団体、政府金融機関などに貸したり、
投資をしたりするという国の制度のこと
→この計画は、2001年に郵便貯金や年金積立金を大蔵省資金運用部に
任せることが禁止になったので、この計画が考えられるようになった
・税金と公債について
・税金(租税)について
→歳入の中心は税金で、その税金は直接税と間接税、国税と地方税、という見方がある
・直接税・・直接納める税金のこと
例:法人税、所得税など
・間接税・・何かしらのモノなどにかかっている税金の部分で納める税金のこと
例:酒税、消費税など
※消費税は、逆進性(低所得の人ほど負担が重くなること)が
あると言われている
・国税・・国へ納める税金のこと
例:所得税など
・地方税・・地方に納める税金のこと
例:固定資産税など
※戦前の日本は、国税の約60%が間接税だったが、
1949年のシャウプ勧告によって、国税の約60%が直接税になった
※シャウプ勧告・・シャウプという人が団長だったアメリカの税制調査団というところが
出した勧告のこと
→この勧告によって、日本が直接税を中心とした税制に変わった
・税制の正しいスタイルとはどういうものなのか
・税制は、様々な意見はあるとしても、
最低でも4つの原則を満たす税制が必要だと言われている
→4つの原則
・公平性 ・中立性 ・簡明性(簡単ではっきりしている)
・税金を納める時に低いコストにする
※現在では、税負担の公平化ということが考えられている
・税負担の公平化について
・基本的に税金の負担は公平になっていることが原則だと言われている
→そこで、公平について、垂直的公平と水平的公平という2つの見方がある
・垂直的公平・・所得や資産などの格差を修正する、という見方
・水平的公平・・どのような職業であろうと、同じくらいの収入がある人からは
同じように税金を取る、という見方
※そもそも、なぜ「公平化」ということを考える必要があるのか
→日本は、職業によって、国税庁が所得をどれくらい把握しているかが違う
例・・源泉徴収(サラリーマンなど)・・10割
自己申告(自営業など)・・5割
農業の人達・・3割
→このような現状から、トーゴーサン(10・5・3)と言われて、
不公平感を表す言葉になっている
※この言葉は、クロヨン(9・6・4)と言われることもある
・公費について
・公費とは・・国債や地方債などのような、借金のこと
→税金で歳出をまかないきれない時に、
不足分を穴埋めするために公費が用いられる
・公費には、2種類ある(2つとも普通国債に入る)
・建設国債・・公共事業や公的機関の貸付や出資などの財源にするために作る国債のこと
・赤字国債(特例公債)・・財政法とは関係なく、特別立法によって作る国際のこと
※ただし日本では、財政にゆとりが無くなって変化に対応できなくなったり、
公債費の負担に関して世代間での不公平を防いだりするという考え方から、
原則としては、公債を作ることが認められていない
ポイント
・財政の概要を押さえる
・租税と公費を押さえる