雇用について考える -様々な視点から-
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雇用について考えてみます
・雇用の現状について
・バブル経済が崩壊した後は、日本的経営方式(終身雇用、年功序列賃金、企業別組合)が
弱くなってしまった
※・終身雇用・・就職してから、定年まで同じ会社で雇用され続けること
・年功序列型賃金・・年齢が上がっていくにつれて、賃金(給料)が上がっていくこと
・企業別組合・・企業ごとに作られる労働組合のこと
→欧米は産業別労働組合(産業ごとに労働組合がある)だった
※昔の日本は、終身雇用制が中心だったが、経済の自由化やグローバル化などが影響で、
労働の流動化ということが起きた
・労働の流動化・・労働者が短い期間で他の仕事に移動してしまうような現象のこと
→そのため、雇用調整や給料のカットなどが行われ、全ての雇用の3分の1くらいは
非正規雇用(パートタイマー、派遣労働者、契約社員、アルバイトなど)
だと言われている
・派遣社員・・派遣元の企業と労働契約を結んで、仕事内容によって、
他の企業に派遣されて働く社員のこと
・契約社員・・契約によって、一定の期間だけ雇用する制度のことで、
基本的には3年間の契約だが、
契約更改を行うことで、延長が出来る
※現在は、非正規雇用の賃金は同じ職業の正規雇用の人達の約半分だと言われている
→そのため、ワーキングプア(働いても生活保護より少ないお金しか持っていない人)が
増えている
・最近では、フリーター(固定した職業に就かない人)や
ニート(学校にも仕事にも行かない人)が増えてきていて、問題だと言われている
・現在では、賃金や労働時間の仕組みなどに変化が起きたと言われている
→変化の例
・年功序列賃金を辞めて、成果を重視するために、
年俸制を取り入れるという企業が増えている
・裁量労働制やフレックスタイム制などのような、
労働時間を自分で決められる制度が増えている
※・裁量労働制・・給料が決まっていて、実際の労働時間に関係なく、
一定の給料が払われる制度のこと
・フレックスタイム制・・仕事をする時間は決まっているが、始まりと終わりの時間は
自分で決められる制度のこと
・現在の労働問題の状況と対策について
・現在指摘されている労働の問題について
・労働の流動化ということが原因で、労働組合の組織率が段々と少なくなっていき、
現在は20%を切った
・過労死やテクノストレス(パソコンなどによる、肉体的、精神的な障害のこと)
などのような新しい労働災害が起きている
・メンタルヘルス(精神面での健康)の問題が重要だと言われ、
社会問題にまでなっていると言われている
・産業構造が変わってしまったり、技術革新に対応できなかったりする人達の
ミスマッチが問題視されている
※ミスマッチ・・不釣り合いなこと
(ここでは、技術革新などに合わない人達が困るという問題と考えられる)
・「名ばかり管理職」やサービス残業などを中心に残業代を払わないことが起きた
※・「名ばかり管理職」・・労働者を形だけ管理者にすることで、
残業代を払わないようにすること
・サービス残業・・一定の給料が払われなかったり、
全く給料が払われなかったりする残業のこと
・派遣労働者の労働環境が悪くなっていることが問題視されるようになってきている
・労働問題への対策について
・労働の雇用を増やすという観点から、ワークシェアリングを増やしていくことが
大切だと言われている
※ワークシェアリング・・労働者の一人当たりの労働時間を減らして、
その分雇用する人数を増やすことで、
より多くの人に働く機会と収入を得るチャンスを与える
という考え方のこと
※ヨーロッパでは、解雇規制法(企業の吸収や合併の時に解雇を行うことを禁止する)
などの法律も作られた
・男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの法律で決められている女性の権利
というものをより実現していく必要があると言われている
※最近では、セクシュアルハラスメントの防止規定が決められた
・セクシュアルハラスメント・・性的な嫌がらせのこと
・外国人の労働者というのが増えてきているので、
外国人労働者を受け入れるかどうかを考える必要があると言われている
※ただし、3K(きつい、汚い、危険)の労働条件だったり、
給料が払われていなかったりと、問題が多い
ポイント
・雇用の現状と、そこに含まれている問題点と考え方を押さえる
・現在の労働の問題点を押さえる
・現在の労働の対策や考え方を押さえる