国際経済の動きについて -グローバリゼーションという考え方-
国際経済の動きを考えてみます
・現在の国際経済の特徴
→現在の国際経済の特徴として、グローバリゼーションが進んだことが挙げられる
・グローバル化について
・グローバル化とは・・ボーダレス化(国境が薄くなること)によって、国と国との違いが
わかりづらくなり、段々と地球レベルで、政治、経済、文化などが
一体化していくこと
・グローバル・スタンダードについて
・グローバル・スタンダードとは・・世界基準、世界標準のこと
(日本独自の制度の反対として使われることが多い)
・なぜ、グローバル・スタンダードが考えられるようになったのか
・グローバル化は国内と国外との両方の経済の自由化(経済の市場化)と
足並みを合わせて展開しているから
・グローバル化には、市場の仕組みが機能しているから
・昔と今で市場経済のスタイルが違ったから
※昔と今との市場経済の違い
・昔・・法律や政府が担う役割などの部分で、国によってかなりの違いがあった
・今・・グローバル化が国による違いを無くしていくであろうと言われている
→このような理由があって、グローバル・スタンダードが世界共通の基準になりつつある
と言われている
・グローバル・スタンダードの具体的な内容について
→代表的なものに、自己資本比率の規制(BIS規制)、ペイオフ制度、
企業会計における時価主義などがある
・BIS・・国際決済銀行という銀行のこと
・BIS規制・・国際的な活動をする民間の銀行に対して定められた自己資本比率
(自分の銀行でキープしておかなければいけない資本の比率のこと)の
規制のこと
→この規制によって、自己資本比率を8%以上にしなければいけない、
ということになった
・ペイオフ制度・・金融機関が破綻した時に、預金保険機構というところから、
預金の元本(最大1000万円まで)とその利息が
払い戻される制度のこと
→ペイオフが解禁するまでは、金融機関が破綻した時は
預金が全額返ってくることが保障されていた
・時価主義・・資産を、決算の時の価格で評価する方法のこと
※日本は、今までは取得原価主義という主義を採用してきたが、
時価主義が世界で一般的になってきているので、
日本も時価主義に移りつつある
・グローバル化による様々な影響について
・日本の様々な制度は、グローバル化の影響で段々と無くなりつつあると言われている
※様々な制度の例
・日本的経営方式・・年功序列型賃金、終身雇用、企業別組合を基本とした方式のこと
・株式の相互持合い・・会社どうしで、お互いの株式を持ち合うこと etc
・企業も労働者も、グローバル化による国際の市場の影響によって、
成功も失敗も自分の責任になるというのが、グローバル化の社会でのルールとなっている
・グローバル化の現状について
・グローバル化は、現状では不安定かつ不平等の傾向になっていると言われている
※なぜ、不安定かつ不平等なのか
→・グローバル化の勢いに乗ることができる企業や労働者は、
大きなチャンスとなる可能性がある
・しかし、グローバル化の勢いに乗ることができない企業や労働者は、
大きなピンチとなるにも関わらず、セーフティーネットが全然存在しないから
※セーフティーネット
・自己責任のルールを補うために、市場経済で失敗した人や負けた人、
様々な理由による弱者などを守り、どこかの市場の機能が弱くなったり、
ダメになったりした時に、その市場の機能の故障が社会全体に
影響を与えてしまうことを防ぐ仕組みのこと
・セーフティーネットの例として、社会保障制度(雇用保険、生活保護など)や
預金保険制度、消費者保護制度などがある
・グローバル化によって生まれた格差について
・グローバル化の影響によって、国際レベルで格差が広がってきてしまっている
※現在では、経済的な格差だけではなく、デジタルデバイド(情報格差)も拡大している
・デジタルデバイドについて
・デジタルデバイドとは・・IT(情報技術)の発達によって、生じる所得、情報量
などの格差のこと
・下のような人達が、情報弱者となる可能性があることが問題視されていると
言われている
→・パソコンを買えない、インターネットを使えない、などの
可能性がある低所得者や高齢者
・情報システムやパソコンなどの機器の普及が遅くなってしまった地域に住む人々
→上のようなデジタルデバイドなど、新しい形での格差が生まれてきている
→そこで、2000年に九州・沖縄サミットが開かれ、その会議で情報格差を始めとして
様々な格差について議論された
※九州・沖縄サミットで決められた共同宣言の内容について
・情報格差を改善することが決められた
・債務の多い国の債務を減らすこと、衛生、教育の向上など、
国家の間にある格差の改善が決められた