世界の先史について② -文化と文明・人類と言語-
世界の先史について、文化、文明、人類、言語の面から考えてみます
・文化と文明について
・約1万年前に氷河時代終了し、地球が温暖化したため、自然環境が大きく変化していった
→そのため、新人は地域ごとの様々な環境に適応する必要が出てきた
※その適応で最も重要だったのが、約9000年前の西アジアで、麦の栽培とヤギや羊などの飼育が始まったことだった
=この時に、農耕や牧畜が始まったと言われている
・農耕や牧畜によって、人々は積極的に自然環境を変える力を身につけた
→そのため、食料生産の生活をスタートさせた
=つまり、この時に人類史は狩猟や採集を中心とした獲得経済から、農耕や牧畜による生産経済に移るという、
重要な変革をとげたということが分かる
→生産経済のスタートによって、人口が飛躍的に増え、文明発展の基礎が作られた
※しかし、それと同時に地球環境破壊もスタートしたと言われている
・農耕や牧畜が始まると、人類は集落に住んで、織物や土器を作るようになった
※この時に石斧や石臼などの磨製石器という石器が作られた
=この時から新石器時代という時代が始まった
→このような初期の農耕民の新石器文化は、アジア・ヨーロッパ・アフリカなどの各大陸に広がっていった
・初期の農法は雨水に頼る乾地農法という農法で、肥料を使わない略奪農法という農法だった
→しかし、メソポタミアというところで灌漑農業という農業が始まったことで、食料生産が発達した
=その結果、多くの人を養うことが出来るようになり、多くの人間を統一的に支配する国家という仕組みが生まれた
※メソポタミアとは・・「川のあいだの地方」という意味で、ティグリス・ユーフラテス両河に
はさまれた地域(ほぼ今日のイラクにあたる場所)を指す
→この流れを受けて、ナイル川、ティグリス川とユーフラテス川、インダス川、黄河と長江の
それぞれの流域に文明が誕生した
※そして、少し遅れた形でアメリカ大陸にも独自の文明が作られた
※文化と文明の違い・・ものすごく簡単に言うと、文化の進化系が文明と考えられる
・文明の段階では、宗教と交易(互いの品物を交換したり、売買したりすること)の中心である都市が誕生した
→この時に、支配する者と支配される者との間に、階級差が生まれた
※その後、金属器が作られ、政治や商業の記録ために文字が作られた
=以上のような流れを受けて、人類史は歴史時代に入っていった
・人類と言語について
・人類が環境に適応していく中で、言語や習慣が増えていった
※この時に、皮膚や髪の色などといった身体的な特徴の違いも出てきた
=ここから、人類を民族や人種などの集団に分ける考え方が生まれた
※人種による分け方とは・・
・様々な身体の特徴(身長・皮膚の色・毛髪・頭の形など)によって、
・人類(おおむね白色人種・黄色人種・黒色人種)によって、
→上のような視点から分けようとする考え方を指す
=上のような人種の違いを優劣や階級などと結びつける考えは、19世紀以降の欧米で盛んになった
※しかし、今日では人類を人種によって分けたり、人種間に優劣の差があると考えることについては、
科学的な根拠がないと言われている
※一方で、言語、習慣、宗教などの文化的な特徴によって、人類を民族という集団に分ける考え方もある
※また、共通の言語から生まれた同じ系統の言語のグループを語族と呼ぶ
ポイント
・先史の文化と文明についておさえる
・先史の人類と言語についておさえる
このあたりが今回のポイントです