戦後・占領期の文化について
戦後・占領期の文化について考えてみます
・戦後・占領期の文化について
・占領改革によって、言論や思想に対して、国家の圧力がかからなくなったため、
今までの考え方や価値観が否定されることになった
→一方で、以下のような新しい変化が起きた
・個人の尊重や民主化という考え方が、GHQによって広められた
・アメリカ的な生活スタイルや大衆文化が広まっていった
・出版の分野が活発になった
→そのため、印刷用紙が足りないのにも関わらず、多くの新聞や雑誌が出てきて、
民主化を促した
※総合雑誌の分野では、「中央公論」の復活や、「世界」「思想の科学」などの
雑誌が作られるようになった
・天皇制に関するルールのようなものが無くなり、マルクス主義が復活してきていた
・人文や社会科学の分野の研究で、新しい分野が開かれ、以下のようなことが行われた
→・岩宿遺跡や登呂遺跡の発掘など、考古学の研究が盛んに行われるようになった
・以下のような学問が、学生や知識人などに大きな影響を与えた
→・近代ヨーロッパと比べた時に、日本が遅れていることを批判する
丸山真男という人の政治学
・大塚久雄という人の経済史学
・川嶋武宜という人の法社会学 など
・自然科学の分野で、以下のようなことが起きた
→・1949年に、理論物理学者の湯川秀樹という人が日本人で初めて
ノーベル賞を受賞した
・1949年に、様々な分野の科学者を代表する機関ということで、
日本学術会議という機関が作られた
・文化の分野で、以下のようなことが起きた
→・1949年に法隆寺金堂壁画が焼けるという出来事が起きた
→この失敗を反省して、伝統的な価値がある文化財を保護するために、
1950年に文化財保護法という法律が作られた
・1968年に、文化財を保護して、文化を復興させるという目的から、
文化庁という機関が作られた
・1937年に、学問や芸術の発達を勧めるために作られ、
中断していた文化勲章の授与というのが1946年に復活した
・文学の分野で、以下のようなことが起きた
→・太宰治や坂口安吾などの人達が、社会の常識や今までの現実主義に
立ち向かう作品を書いた
※太宰治や坂口安吾などの作品は、敗戦で精神的につらい人達に衝撃を与えた
と言われている
・大岡昇平と野間宏という人が、自分の戦争の時の体験をヨーロッパの現代文学で
勉強した方法で表現した
※大岡昇平と野間宏は、戦後文学の頂点だったと言われている
・以下のような様々な大衆文化が流行した
→・日々の生活は苦しいのにも関わらず、明るく伸びやかな大衆文化が
流行したと言われている
・歌謡曲の分野で、「リンゴの唄」というのが流行り、美空ひばりという人が出てきた
・映画の分野が黄金時代を迎えたと言われ、黒澤明や溝口健二などの人達は
世界でも高い評価を得ていた
・GHQの指導によって、NHK(日本放送協会)が再スタートした
※NHKのラジオは、ドラマやスポーツ中継などで多くの人気を集めた
・1951年から、民間でのテレビ放送が始まった
ポイント
・戦後・占領期の文化について押さえる
このあたりが今回のポイントです