氷河と地下水の地形について
氷河と地下水の地形について考えてみます
・氷河の地形について
・アルプス山脈のように寒く高い山では、毎年雪が圧縮されて谷氷河になる
→谷氷河は、山麓に向かって流れ下っている
→谷氷河の動きは遅く、すごく速くても1日に1mくらいしか動かない
※しかし、この動きの時に、厚く谷を満たして谷底だけでなく、谷壁も侵食する
=その結果、カールやU字谷などの特徴ある侵食地形をつくる
→氷期に谷氷河が発達した山地では、現在ではU字谷の谷底が広く
平坦な土地となっている
※そのため、農耕、牧畜、集落の立地などに適している
※また、カールやU字谷の底に出来た氷河湖が、天然の貯水池として
発電や灌漑に利用されることも多い
→氷河の末端部では、氷河に侵食されて出来た岩くずが堆積する
=その結果、モレーンという丘を作る
→一方で、南極大陸やグリーンランドで発達している広大な大陸氷河は、
陸地を面的に侵食する
・地球が寒冷だった氷期は、以下のような特徴があった
→・谷氷河はより下流まで達している
・北ヨーロッパや北アメリカ大陸の北部は、広大な大陸氷河でおおわれていた
・今から約2万年前にあたる最終氷期の最寒冷期には、
地球上の全陸地面積の約3分の1が氷河におおわれていた
・氷期には、海面から蒸発した水が氷河となって陸上に蓄積される
→そのため、海面の高さは著しく低下する
・氷期が終わって間氷期に入ると、氷河が溶けて、海面が再び上昇する
=上のような海面の上昇は、氷河性海面変動と呼ばれ、
地形の形成に大きな影響を及ぼすと言われている
・地下水の地形について
※水による浸食作用には、物質を化学的に溶かして運ぶ溶食作用が含まれている
・石灰岩地域というところでは、地表に無数のくぼみや縦穴が作られる
→そのため、地下には迷路のような鍾乳洞や地下河川が出来る
=これらは、二酸化炭素が溶け込んだ雨水や地下水が、
石灰岩を溶食して作った地形となっている
※このような地形を、カルスト地形という
・溶食が特に活発なのは、植物の分解などで生じる酸が地下水に多く含まれている、
温暖で湿潤な地域だとされている
※日本にも石灰岩は多く分布し、セメントの原料とされている
※さらに、秋吉台や平尾台などのように、観光地となっているところもある
ポイント
・氷河の地形についておさえる
・地下水の地形についておさえる
このあたりが今回のポイントです