世界から見た日本の農業について
世界と比較した日本の農業の構造について考えてみます
・日本の農業の構造について
・日本は、山が多い
→そのため、日本の耕地面積は、全国土面積の約12%しかない
・農家のほとんどは家族経営に頼っている
→そのため、農民一人あたりの耕地面積がアメリカの約35分の1しかない
→しかし、耕地1haあたりの農業生産額は、日本はきわめて高い
※なぜ、日本は耕地あたりの農業生産額が高いのか
→・高度な技術を利用して、狭い耕地で肥料や農薬を大量に投下し、
多くの収穫を出す集約的な農業を行ったから
※ただし、経営が零細な日本では、生産コストがかかるため、
農産物の価格も高くなる傾向がある
・第二次世界大戦後は、コメは政府が全て買い占め、価格が保証されていた
→そのため、戦後の稲作は、農業のなかでも安定した産業だった
※しかし、食生活が多様化したために、コメの消費量が減ってきた
=そこで政府は、コメの買い入れ価格を抑えて、作付面積を制限する減反を奨励した
・1995年にコメの流通を自由化するということが起きた
→すると、日本で以下のようなことが起きた
・味の良いコメや銘柄米の生産で競争が増した
・外国産の安いコメとの競争も発生した
=このような世界の情勢に対応するために、日本は、農家や農業を保護する
農業政策から、大規模営農を支援する農業政策へと変化していった
・日本の農業就業人口は、長期にわたって減少傾向が続いている
※なぜ、減少傾向にあるのか
・農業就業者1人あたりの生産額が、製造業の4分の1しかない
・重労働のわりには所得水準が低い
→このような理由から、若い人たちを農業にひきつけることができないのが
原因だとされている
=そのため、農業従事者の高齢化が進んでいる
※現在50%以上が65歳以上で、その半数は女性によって支えられている
・輸入農産物と日本の農業との兼ね合いの問題について
・日本は、農家を保護するために国内農産物と競争するものについては輸入を制限してきた
※しかし、GATTのウルグアイ・ラウンドの農業合意ということが起きた
→その結果、牛肉やオレンジなど、一部の農産物の輸入制限を緩和した
※コメについても、1995年から関税化による部分開放に踏み切った
※また、日本はTPPという問題で揺れている
・外国の安い農産物の影響で、日本の農産物の市場占有率は、低下し続けている
→これに加えて、日本の食料自給率も年々低下している
※穀物自給率は、30%を割るまでになっている
=そのため日本は、現在は世界最大の農産物輸入国となっている
・日本の農産物の輸入先は、特定の国に偏っている
→そのため、輸入先の国の農業事情に影響を受けやすい食料需要の構造になっている
・現在の日本の農業は、消費者には食料の生産や供給がしだいに見えにくくなってきている
→そのため、消費者の不安がつのり、食に対する安全への関心が高まっている
と言われている
ポイント
・日本の農業の構造について
・輸入農産物と日本の農業との兼ね合いの問題について
このあたりが今回のポイントです