世界から見た日本の工業について
日本の工業について考えてみます
・日本の工業の歴史について
・1960年代
→・日本は、高度経済成長をなしとげ、先進工業国として世界に知られるようになった
・鉄鋼、石油化学などの素材型産業と、電気機械、精密機械、自動車などの部門において、
大量生産の技術が確立され、輸出も増えた
・1970年代
→・石油危機をきっかけに、素材型産業の生産が停滞した
・自動車や電気機械などの機械工業が基幹産業になって、経済成長を引っ張っていった
・1980年代
→・日本の工業生産は、世界でも上位を占めるようになった
・日本製品が世界各国に輸出されるようになった
・立地の面で、労働集約型部門を中心に、太平洋ベルトから地方への工業の分散が
行われていた
※1980年代の日本の貿易の様子について
・アメリカやヨーロッパとの間で、深刻な貿易摩擦が起きた
→その解決策として、自動車の場合は輸出の数量制限や自主規制の枠が設けられた
=その結果、輸出による海外市場の維持や拡大が困難になった
※そこで日本企業は、生産拠点を海外に移して、
現地で生産した自動車を供給するようになった
・1985年以降の円高によって、上のような動きが一層進んだ
→そこで、生産コストを下げるために低賃金労働力や安い産地などを求め、
アジアの国々に進出する企業が増えた
・日本は、賃金格差を利用して、以下のように進出先を変えていった
→最初は、アジアのなかでも比較的経済が発展していた香港や台湾
→その後、香港や台湾では外国企業の増加に伴って
賃金などの生産コストが割高になった
=そのため、マレーシア、中国、ベトナムへと進出先を変えてきた
※一方で、企業の海外進出に伴って、国内の工場や従業員数が大幅に減少した
・1990年代
→・バブル経済が崩壊して、不況が起きた
・東南アジアや中国から安価な衣類や電気機械などが日本に流入してきた
・日本の企業が販売先を海外市場に求める動きが出てきた
・大企業の海外進出が、国内の下請け企業の経営を圧迫した
→これに、不況が手伝って、倒産や廃業になる中小企業が増えた
・日本で産業の空洞化が進む中で、ベンチャービジネス(創造型企業)が出てきた
※産業の空洞化とベンチャービジネスについて
・産業の空洞化とは
→低賃金の労働力や安い用地などを求めて企業が海外に進出することに伴って、
製造業を中心にした国内の産業が衰退していく現象のこと
・ベンチャービジネスとは
→独創的な技術や製品を開発し、商品化する企業のこと
・ベンチャー企業は、人的資源が重要なため、大都市圏に立地する傾向がある
・中国や東南アジアの工業化が、日本製の工作機械やハイテク素材の需要を増やし、
新たな国際分業体制を生み出している
・2000年代
→・デジタル家電などの、最先端の製品を中心に、工場の国内回帰が見られるようになった
※工場が国内に回帰されるようになったのか
・関連産業のすそ野が広い
・短期間で研究開発から生産に移れる
・市場に近いことが再評価された
ポイント
・日本の工業の歴史的な背景をおさえる
このあたりが今回のポイントです