インドの産業について
インドの様々な産業について考えてみます
・インドの農業について
・インドは、季節風(モンスーン)のために、乾季と雨季がはっきりしている地方が多い
※北東部のアッサム丘陵は、世界的に見ても多雨地域である
※これに対して、西には乾燥した大インド(タール砂漠)が広がる
→このような自然を背景に、インドには様々な農業がみられる
・東部や沿岸部はコメ、北部の内陸部は小麦の栽培が多い
※コメと小麦の生産量は、両方とも中国についで世界第2位になった
・植民地時代に栽培が盛んになった綿花や茶などの商品作物は、
今も世界有数の生産量を誇っている
→綿花の生産地として有名なデカン高原では、近年はとうもろこしや大豆などの
生産も増えている
・インドは長く食料不足に悩んできた
→しかし、1960年代から品種改良、地下水や用水路による灌漑の発達、
肥料の普及が進んだ
=これによって、農業生産は飛躍的にのびた
※1970年代には食料自給を達成した
・一方で、農業経営は零細だと言われている
※農業経営は、土地を持たない多くの農民による集約農業が中心で、
貧富の差が激しいことも問題になっている
・インドの工業について
・イギリスからの独立後は、政府主導の工業化政策によって、
鉄鉱石、石炭、ボーキサイトなどの豊かな鉱山資源を用いて、
工業の発展を目指していった
=そのため、外国からの輸入を制限して、自動車、航空機、文房具、ちり紙など、
ほとんどの種類の製品を国内生産する体制を作り上げていった
※しかし、インドは政府の規制が厳しかったため、以下のようなことが起きた
・国内各地に建設された公営企業のなかには、効率の悪いものが多かった
・国内向けの生産が主体で質的に劣っていたため、国際競争力が失われていった
→そこで、1980年代から経済の統制を少しずつゆるめていった
=そして、1991年に新経済政策を導入して、本格的な経済自由化を進めていった
※インドは、輸入や外国資本の制限を取り払ったことで、
工業生産は急速な成長を見せていった
→特にインドは、自動車生産の伸びが著しく、デリー近郊、バンガロール、チェンナイ
などが生産の中心になっている
※数億人に及ぶ中間層の購買意欲が自動車や家電製品に向いたことも、
経済成長の流れを加速させたと言われている
・最近は、インド国内の大きな市場と安い労働力を求めて、
日本、韓国、ヨーロッパなどの国々の企業がインドに進出してきている
※そのためインドは、21世紀の有望な市場とみなされ、BRICsの一国として、
世界の注目が集まっている
・インドのIT産業について
・現在のインドは、IT産業が急速に発展している
→インドのIT産業は、1991年に経済自由化が行われてから、本格的に成長した
※コンピュータソフトウェア産業の伸びが著しく、重要な輸出産業になっている
→インドはもともと、数学の教育に力を入れていて、コンピュータ技術の教育が盛んで、
英語が優れている人が多い
※最初は、アメリカなどへ技術者が渡って、ソフトウェアの開発などに
たずさわっていた
=現在は、インド国内での生産が中心になっている
※現在は、外国からの受注や製品の輸出が通信衛星を使って即座にできる
→そのため、原材料や製品の運搬に道路や鉄道を整備する必要がない
※時差を利用して、アメリカやヨーロッパが夜間の時に仕事を引き継ぐことができる
→この動きは、迅速性が大切なハイテク事業では有利な条件となっている
※1990年代後半から、ITを利用したサービス業の伸びが目立つようになった
→現在のインドは、都市の様子にも変化が見られる
→また、多くの都市にハイテク工業団地が作られている
・インドは「眠れる巨像」と言われてきた
→インドは、経済の自由化によって、年5~6%の経済成長を続けた
※特にITやソフトウェアの産業で、世界経済のなかで存在感を高めている
→インドのIT企業には、100%の外資の導入を認めている
→インドは、人材の育成にも力を入れていて、IT産業の分野で先進国入りを目指している
・一方で、インドでは長い歴史に根ざした独自の伝統や文化が
人々の生活の基盤になっている
=以上のような、人々の生活と、経済発展によって変化しつつある社会とを、
どのように融合させていくか、という点も、インドの大きな課題だと言われている
ポイント
・インドの農業についておさえる
・インドの工業についておさえる
・インドのIT産業についておさえる
このあたりが今回のポイントです