発展途上国の都市問題について -ラゴスとメキシコシティの例-
発展途上国の都市問題について、ラゴスとメキシコシティを例にして考えてみます
・ラゴスの都市問題について
※ラゴス・・ナイジェリアの大都市で、西アフリカの商工業の中心地として栄えた
・ラゴスの都市圏は、1950年は30万人弱の人口だったが、
2000年は約870万人にまで増えた
※なぜ、都市の人口がここまで増えたのか
→・植民地の時代から中心地だった
・サヘルで生じた砂漠化によって、ナイジェリアの周辺部を含めた広範囲の農牧業が
ダメージを受けた
・国内だけでなく、周辺の国々からも流入してきた
・ラゴスの中心部には、高層ビルや高速道路があるが、中心部から少し外れると
スラムが多く存在している
※スラム周辺の道路の状況はひどく、雨上がりに水があふれてしまう
・幹線道路や一般道路では、毎日交通渋滞が発生している
・雇用量を大きく上回る人が急激に都市に来たため、都市で仕事に就けていない人が多い
・ナイジェリアで、異なる民族間の対立が起きていて、ラゴスでもたびたび対立が起きている
※そのため、ラゴスの犯罪は多く、治安が不安定
・メキシコシティの都市問題について
・メキシコシティの市街地は、標高が2000m以上の盆地に位置している
→そのため、汚れた空気が周りに広がりにくく、スモッグが発生しやすい
※特に乾季は、遠くの市街地がかすむレベルで、
目への刺激やきつい臭いに悩まされることが多い
・標高が高く、空気がうすいため、エンジンが不完全燃焼し、
大気汚染につながることがある
※市内は、整備が整っていない中古車が多く、大気汚染の原因になっている
・地下水の汲み上げによる地盤沈下、工業用水の排水による地下水汚濁などの問題も
出てきている
・メキシコシティへの人口集中は、20世紀の前半に起きた工業化によって始まった
→・1920年ごろ・・人口は60万人くらいだった
・1950年ごろ・・約290万人
・2000年ごろ・・約1800万人
→このような人口の増大があったため、メキシコシティには主要な金融や行政の機関が
多く集まった
=その結果、メキシコの他の都市に比べて
圧倒的に大きな首位都市(プライメートシティ)になった
・都市の巨大化と同時に、生活環境の悪化も進んだ
※特に住宅不足は深刻で、所得の低い人達はスラムに住むことになってしまう
※メキシコシティのスラムについて
・メキシコシティのスラムは、周辺にある山の傾斜地など、条件が悪いところに多い
・スラムの住民は、農村部での生活が難しくて、
農村から追い出された農民やその家族が多い
・失業者も多い
・市街地では、道路や公共輸送施設などの建設が追い付いていない
=そのため、常に交通渋滞を引き起こしている
・メキシコシティの都市問題の対策について
・大気汚染対策として、以下のようなことが行なわれている
→・ナンバープレートによって、市街地での自動車の利用制限をする
・自動車の排ガス検査を義務付ける
・交通渋滞の対策として、以下のようなことが行なわれている
→・地下鉄の建設
・交通量を分散させる環状道路の整備
・地盤沈下と水質汚濁の対策として、以下のようなことが行なわれている
→・都市の近くに工業団地を作ることで、都市の工場の分散を行う
・スラムなどの対策として、以下のようなことが行なわれている
→・公的機関が融資して、住宅の建設が行なわれている
=メキシコシティの都市問題は、多くの時間と資金が必要だと言われている
※しかし、メキシコシティは昔から累積対外債務に苦しんでいるという現状がある
→そのため、メキシコシティは資金や技術などを海外に依存しているという現状がある
ポイント
・ラゴスの都市問題についておさえる
・メキシコシティの都市問題についておさえる
・メキシコシティの都市問題の対策についておさえる
このあたりが今回のポイントです