植物ホルモン
植物ホルモンについて
※植物ホルモンの特徴
・若い組織で合成
・微量で作用
・細胞内の情報伝達 → 成長、分化
1、植物ホルモンの種類
①オーキシン
・細胞壁の性質を変化させる(膨圧の低下)
※吸水を増大させるため、体積が増加する
→そのため、細胞の伸長成長を促進させる
・最適濃度は、根 < 芽 < 茎 の順番
・頂芽優勢という特徴がある(頂芽・・・茎頂分裂組織のこと)
→頂芽切除をすると、側芽成長が起こる
=オーキシンは、側芽の成長を抑制し、頂芽の成長を促進する
※オーキシンは側芽にとって濃すぎて、側芽の最適温度が低い
・発根促進という特徴がある
→葉つきの枝で不定根(本来生えるはずのない根)が生えることがある
・極性移動という特徴がある
※根の先端部分の上と下に寒天片を置き、オーキシンを上の寒天片に含ませる
(上をAに、下をBにする)
→すると、AからBに向かってオーキシンが落ちる
→先端部分を逆さまにして、Aを下に、Bを上にすると、
AからBに向かってオーキシンがのぼる
=つまり、AからBの方向に向かってオーキシンが移動する
※この移動のことを、極性移動という
・子房や果実の成長と成熟
・離層形成の抑制 → 落果、落葉の抑制の機能がある
※離層形成は、オーキシンが減少し、アブシシン酸が増加する
②ジベレリン
・イネの馬鹿苗病に関係(馬鹿苗病・・・草丈が異常に高い)
→馬鹿苗病の菌から抽出
・茎の伸長促進
・種子発芽促進
・子房成長促進(種無しブドウ)
③サイトカイニン (カイネチン)
・DNAの分解産物から発見
・細胞分裂の促進
・気孔の開度が増す
・老化の抑制(クロロフィルの分解)
④アブシシン酸
・種子の休眠促進(発芽させない) → 反対のホルモン-ジベレリン
・気孔開度が減る → 反対のホルモン-サイトカイニン
・離層形成促進 → 反対のホルモン-オーキシン
⑤エチレン(C2H4)・・・気体ホルモン
・果実の成熟
・離層形成の促進