環境と植物の反応② -オーキシン濃度と重力屈性-
環境と植物の反応で、オーキシン濃度と重力屈性について
1、オーキシン濃度と茎・根の成長について
※根と茎には、いくつかの特徴がある
・根・・・濃度が薄いと成長する(正の重力屈性)
・茎・・・濃度が濃いと成長する(負の重力屈性)
=つまり、根と茎とでオーキシンの濃度の感受性が違う
→そのため、あるオーキシン濃度の時に、「芽と茎が成長促進する時に根が成長抑制する」など
濃度によって、それぞれの動きが異なる
2、根の重力屈性に関わる根冠の役割
※根冠という物質は、重力屈性の邪魔をするという特徴がある
→そのため、重力屈性と根冠に関する実験でいくつかのことが分かる
実験①
・根冠を除去する → すると、より伸びる(根冠は伸長抑制の特徴がある)
実験②
・根を地面に垂直にして、根冠を縦半分だけ除去する
→すると、根冠の残っている方向へ屈曲する
=根冠のない方が伸長する
=伸長を抑制する物質が上に向かって出ている可能性がある?
実験③
・根冠つきの根を地面に垂直にして、根の先端に雲母片を水平に差し込む
→すると、雲母片と反対側に屈曲した
※雲母片は、伸長抑制に働く物質も通さないため、大きく伸長する可能性が考えられる
=実験1~3から見ると、濃度が偏り、下に多く運ばれ、上が成長する、
ということが分かる
実験④
・根冠つきの根を横にして、地面と平行になるように根の先端に雲母片を刺す
→すると、濃度に偏りがなかった
=上下に同じ量が運ばれる
=上下の成長度は同じ ※物質は根冠にあり、根冠から運ばれる
実験⑤
・根冠つきの根を横にして、地面と垂直になるように根の先端に雲母片を刺す
→すると、下側に屈曲した
=この下側の屈曲は、重力の影響によって起きる