自己形成を考える① -自我・欲求・防衛機制-
自己形成と自己の生き方について解説していきます。
・自我について
※そもそも自我とは何か:自分のことを意識するようになること
→自我というのは、小さい子どものときに知ることはできない
では、どうすれば「自我」に気づくことができるのが
(倫理では、自我に気づくことを「自我の目覚め(自我の発見)」という)
→身近な人と交流していくことで、段々と自我に気づき始める
※人は、自我に気づき始めると同時に、心理的離乳も行われることがある。
その心理的離乳の過程で、自分のことを意識することで、
周りが自分を理解してくれない、今までの文化がムカつく、
今のモノの見方に腹が立つ、など、いろいろと批判的になる
→これを倫理では、「第二反抗期」という。
・孤独について
※人は自我を知ると、孤独感に襲われるなど、孤独を経験するが、
この経験が重要とされている
・孤独を経験することで・・
→・不安や心にぽっかり穴が開く感じになるが、自分自身を考え直すことができる
・自分の思いを打ち明けられたり、自分を理解してくれたりする友人を求める
・恋愛で、自分が好きだという気持ちを押し付ける可能性がある
→しかし、恋愛において、自分の気持ちを押し付けることは恋愛ではない
・欲求と防衛機制
※欲求とは何か:何かを求めること
・基本的に欲求には2つの種類があると言われている。
①生理的欲求(一次的欲求)― 食欲や性欲、休息などを欲しがること
②社会的欲求(二次的欲求)― 人と会う、自分の名誉を得る、などのこと
・この2種類を細かく分析し、新しい考え方を生み出した人がいる。
→その研究を行った人をマズローという。
・マズローは、欲求は大きくは2種類だが、細かく分けると5種類あり、
段階があると考えた。
・マズローが考えた、人間の欲求を5段階とする考え方を、欲求階層説と言う
・マズローの欲求階層説の5段階
①生理的欲求― 食欲や性欲、休息などを欲しがること
②安全の欲求―危険や災害などから逃れたいと思うこと
③所属と愛情の欲求―友達や恋人、家族などが欲しいと思うこと
④承認の欲求―他人に自分を認められたいと思うこと
⑤自己実現の欲求―自分に合っているであろうことを実際にやりたいと思うこと
※この欲求は、①の欲求を満たすと②を欲求し、②を満たすと③を欲求し、
というように段階を踏む
逆に、①の欲求を満たさないと段階を踏めず、②は欲求しないと考えた。
→欲求が満たされないことを、欲求不満(フラストレーション)という。
・欲求不満とその攻略法(防衛機制について)
・欲求不満の攻略法
→・合理的な解決―無駄なく効率よく解決する
・近道反応―回りくどいことをしないで、直接目標に向かうこと
・防衛機制―自分が無意識のうちに、自分を落ち着かせようとすること
などの方法があるが、フロイトという人が、防衛機制が攻略に良いと考え研究した
・フロイトが考えた防衛機制とその例
・抑圧―罪の意識や責任を感じないように、自分の欲求を抑えてしまう
・合理化―欲しいものが得られない時に、理由をつけて自分を納得させる
・同一視―小説の主人公などに自分を照らし合わせる
・投射―自分が憎んでいるのに、自分が憎まれていると思いこむ
・反動形成―自分の欲求と反対の行動を取る
・逃避―苦しい場面に出会った時、そこから逃げ出す
・退行―子どものような行動を取る
・置き換え―・代償―自分の欲求とは別のもので、欲求を満たす
・昇華―性的な欲求を社会貢献などをすることで、欲求を満たす
→フロイトは、このような防衛機制を身につけるなどして、
欲求不満に耐えたり、対処する方法を見つけることが重要だと考えた。
ポイント
・人間には、自我の目覚めがある
・心理的離乳と自我が重なり、第二反抗期が生まれることがある
・人は孤独に襲われるが、孤独の気持ちを経験することが大切だとした
・欲求には2種類あり、マズローが5段階に分けて、欲求階層説を作った
・5段階が何かを覚える
※欲求は段階的に満たすため、①と⑤を一緒に満たす、などの行動はできない
・欲求が満たされないことを欲求不満と言う
・欲求不満を解消する方法として、防衛機制があり、フロイトが研究した
・防衛機制の種類を覚える
という部分が重要です。参考にしてみてください。