青年期の課題 -人間の定義-
青年期を語る前に、そもそも人間とは何か?という問いを考えなければいけないことになり、
昔人間の定義というのが考えられました。
基本的には4パターンなので、それの違いを覚えるのが大切です。
①ホモ=サピエンス(英知人)
→人は、「考える能力を持つ」と考えられました。
②ホモ=レリギオースス(宗教人)
→人は、「霊や魂の存在を考える能力を持つ」と考えられました
※パスカルという人は、②のような考え方を重視していた。
具体的には、神を直観(直接感じ取ることを)する心が重要として、
「繊細な精神」と名づけました
③ホモ=ファーベル(工作人)
→・ベルクソンという人が定義を考えました。
・ベルクソンという人は、道具を作って自然に働きかけると考えました。
そうすることで、人は環境などを自分の都合の良いように作りかえると考えられました
④ホモ=ルーデンス(遊戯人)
→・ホイジンガという人が考えました。
・ホモ=ルーデンスというのは、「基本的に人間は、遊んでストレスを解消する」
という考え方です
・ホイジンガという人は、「遊びは・・時間と空間とルールの中で行うもので、
優劣や利害ではない」と考えました。
この4つが基本的な人間の定義とされました。
この4つ以外にも人間について考えた人がいたので、
いくつか紹介しておきます。
・フランクルという人は、
→・動物 ― 本能的にしか動かない = 本能的な存在
・人間 ― 自分がなぜ生きるのかを考える = 精神的な存在
というふうに分けて人間を考えました。
・パスカルは、「人間は考える葦である」と考えました。
→この発言は何を言いたかったのか・・
→葦というのは、自然の中でも弱い草の一種で、人間は、宇宙に比べるとそれくらい弱い
しかし、人間は弱いにも関わらず、自分が死ぬことを知っていたり考えたりできる
宇宙は全くそれができない、と考えました。
・・といっても、よくわからないので、まとめると・・
=要は、人間だけは考えることができるから考えることを大切にしようと思っていました
・ペスタロッチという人は、人間を「天使にも悪魔にもなりうる存在」と考えました。
→・人間は人を愛して、正しいことを自分からすすんでやる=天使
・人間は欲望のためには何でもやりかねない=悪魔
→上の2つがあるから、人間は矛盾していると、ペスタロッチは考えました。
※これだとわかりにくいので、例をあげておきます。
例:Aさんの彼氏は、優しくて、いろいろなことを進んでやってくれる=天使
Aさんの彼氏は、Aさんが他の男としゃべって欲しくないがために、
Aさんの携帯に入っている男の人のアドレスを全て消させた=悪魔
というように、人間は天使にも悪魔にもなる可能性があると、ペスタロッチは考えました。
・アリストテレス
→人間を「ゾーオン=ポリティコン」(ポリス的動物)と考えました。
・・人間は、家族やその他のグループなどに育てられる動物だとしました。
=人間は、社会の中で生きる動物だと考えました。
このあたりが、人間の定義として扱われやすい部分です。