アリストテレスについて
アリストテレスを解説します
・アリストテレス-現実主義で、「形而上学」という本を書いた
・形相と質料という考え方
・アリストテレスは、イデアは現実の事物に内在していると考え、
これを形相(エイドス)と呼んだ
・また、エイドスは事物の中でも、事物の素材である質料(ヒュレー)の中にあると考えた
→そのため、アリストテレスは、事物の変化によってイデアに近づくと考えた
※アリストテレスは、理想は現実の中に潜んでいると考えた
→だから、人間は努力をすることで、一歩一歩理想へ近づいていくと考えていた
≒努力をして、事物を変化させるべき
・徳と中庸
・アリストテレスは、最高の幸福のためには、「知性的徳」
(物事を正しく判断すること)が大切とした
→「知性的徳」は、正しいことを認識する知恵と、
中庸のための思慮の2つで出来ているとした
※中庸:常に2つの極端の真ん中を目指すこと
(「中道」という言葉と混ざる人がいるが、中道は両極端を避けることを指す)
・なぜ、アリストテレスは「知性的徳」が大切だと考えたのか
→幸せは、お金や名誉や快楽を求めるのではなく、知恵を自由に働かせることで実現する
→そのため、最高の幸福は、純粋に理性を活躍させることを楽しむという、
観想的(テオーリア的)生活だとしたから
※ただし、知性的徳で得た中庸は感情や欲望に左右されやすいから、
安定して中庸を得られるように訓練することが必要だと考えた
=要は、善い習慣(エトス)を繰り返して、それがいつの間にか性格(エートス)
になることが大切だとした
→このようにして得た性格を、アリストテレスは性格的徳と名づけた
※中庸の例
・無謀と臆病の中間-勇気
・放縦と鈍感の中間-節制 → 左の、勇気、節制、思慮を中庸(性格的徳)と言う
・過多と不足の中間-思慮
※アリストテレスは、知性的徳を性格的徳にすることが大切だとした
・友愛と国家について
・アリストテレスの根本的な考え方・・「人間はポリス的動物である」
→ポリス(市民が所属しているグループ)から離れてしまうと、道徳は完成しないと考えた
・アリストテレスは、性格的徳の中でも、友愛と正義を重んじた
※ここでの友愛と正義の意味
友愛:お互いが幸福になるように願い、お互いが優れた人間になるように心がけること
正義:人々の間で平等を実現すること
※アリストテレスは、正義を配分的正義と調整的正義の2つに分けた
・配分的正義:名誉や報酬などで分配して、調整をする正義-民主主義的と言われる
・調整的正義:取り引きなどで公平になるように調整する正義-社会主義的と言われる
・アリストテレスの国家についての考え方
・王政が仕切る政治(君主政治) → 王の独裁政治
・貴族が中心の政治 → 少数の強い人だけが仕切る寡頭政治
・共同で行う共和政治 → 多くの愚かな人が政治を動かす衆愚政治
これらの政治が腐敗すると
→となってしまう可能性があるので、注意しなければいけないと考えた
ポイント
・アリストテレスは、質料(ヒュレー)の中に形相(エイドス)があると考えた
・アリストテレスは、観想的(テオーリア的)生活のためにも「知性的徳」が必要と考えた
・知性的徳を性格的徳にすることが大切だとした
・アリストテレスは、「人間はポリス的動物である」という考えを根本にした
・アリストテレスは、友愛、正義、配分的正義、調整的正義を重んじた
・アリストテレスは、それぞれの政治スタイルは腐敗すると、良くない政治になる可能性があると考えた
・アリストテレスは、現実主義