古代ギリシアの思想 ~哲学誕生の瞬間~
古代ギリシア哲学の最初の最初を考えます
・古代ギリシア哲学のスタート
・古代のギリシアで、人間や世界の物や出来事を理解するために、
一番最初に用いられたのは、神話(ミュトス)だった
→神話を使うことで、世界とは何か、人生とは何か、という答えを探そうとした
・当時、使われていた神話は2人の神話であった。
①ホメロスという人の、「イリアス」と「オデュッセイア」という神話
②ヘシオドスという人の、「労働と日々」という神話
※なぜ、この2人の神話が用いられたのか
→神を擬人化して(人に置きかえて)いたから
・しかし、紀元前6世紀ごろから、神話に頼らないで世界や人生が何かを知る、
という考え方が生まれた
=これは、世界を支配する理法(ロゴス)が生み出されたことを意味する、
と言われている
※理法:筋が通っている(正しい)ルールのこと
→以上のことから、ギリシアの人々は、全ての人や物を理法(ロゴス)で説明しようとした
=これをギリシア思想という
・ロゴスを自覚したのは誰か?
・ロゴスが大切だと最初に考えたのは、自然哲学者と言われる人達だった。
※自然哲学者:人間や世界を神話で説明するのではなく、
人間や世界の最も根本にある物は何か、を考えた人のこと
ここでいう根本を、当時のギリシアでは、根源(アルケー)と呼んだ
・そこで、多くの自然哲学者が、人間や世界の根源(アルケー)が何かという答えを出した
・ピタゴラスという人 - 根源を数と考えた
・ タレス - 水
・ヘラクレイトス - 火
※この人は、「万物は流転する(物事は常に変化する)」と言った
・デモクリトス - 原子(アトム)
・エンペドクレス - 土と空気と水と火
→このように、自然哲学者が根源を求める態度をテオーリア(理性を働かせること)と言う
→以上のことから、
ギリシアの人は、知識が役に立つかどうかよりも、知識を知ることを重視した
→このことから、純粋に知ることを愛する「愛知」(フィロソフィア)という言葉が生まれた
※「愛知」について:・昔-学問全てを指していた
近代以降-哲学と科学が分かれ、哲学に愛知が当てはめられた
※なぜ、純粋に知識を得ることを重視したのか
→昔はスコレー(余裕、ひま)がたくさんあったから、と言われている
・紀元前5世紀にどのような変化があったのか
・アテネがギリシアの中心となったことが原因で、考えるものの対象が、
水や火などの自然から、人間や社会に変わっていった
→人間や社会に特に目が向けられた時、民主政治などが意識されたため、
人々は、弁論術(人を説得するための方法)を学ぼうとした。
→その時にソフィストと呼ばれる弁論術の教師が現れました。
ポイント
・哲学の最初は神話
・神話に頼らないで、理法を使う考え方が生まれた=古代ギリシア哲学
・自然哲学者が根源(アルケー)を探した=この態度をテオーリアと言う
※自然哲学者と根源を一致させて覚える
・ギリシアでは、純粋に知識を獲得すること(愛知)を重視した
・紀元前5世紀に、自然から人間と社会へと考える対象が変わった
・当時、弁論術(人を説得する力)が流行した
→ソフィスト(弁論術を教える人)が現れた
このあたりが、重要なポイントです。