プラトンについて
ソクラテスの弟子、プラトンとその考え方を紹介します
・プラトン-アカデメイアを創設
・プラトンの考え方の中心はイデア論であった
・イデア論
・イデア論とはなにか
→人間は、永遠に変わらない物事の本来の姿を知っているという考え方のこと
※ただし、物事の本来の姿は人生の中の経験では得ることができないと考えた
イデア論の例:・黒い色を見れば、誰でも「黒」と答えることができる
・適当に正方形を書けば、正確でなくても誰でも正方形とわかる、など
→これらは、永遠に変わらない物事の本来の姿を知っているから
答えられる
・イデアは、理性(感情に左右されない正しい考え方)によって捉えられるものだけが
本物とした
※そのため、目に見えるものは本物ではないと考えた
・イデアの本質
・プラトンは、人間の魂は元々イデアにいた
しかし、肉体という感覚によって魂がイデアから現実に引きずり降ろされた、と考えた
→そこで、美しいものに出会って、善い行為の経験を通して、
魂がイデアを思い出すことが大切だとした
=これをプラトンは、「イデアへの憧れ(愛・エロース)を通して、
イデアを想起(アナムネーシス)することが大切」と考えた
※プラトンは、最高のイデアを善のイデア(善そのもの)とし、
これを知っている人が幸せだとした
・魂について
・プラトンが人間の魂を分析した。その結果・・
→人間の魂は、イデアと現実や肉体の2パターンに分けられ、
・イデアには理性
・現実や肉体には、気概(困難にくじけない心)と欲望
があり、理性が気概と欲望をコントロールしていると考えた
→この考え方を魂の三分説と言う
・プラトンは、魂の三分説から、三つの徳を導き出した
・理性の徳→理性を教える知恵
・気概の徳→理性を実行する勇気
・欲望の徳→欲望を抑える節制
→プラトンは、理性が気概と欲望をコントロールするように、
知恵が勇気と節制をコントロールすると考えた
→プラトンは、知恵が勇気と節制をコントロールし、
三つの調和が取れた時に正義が実現すると考えた
※知恵、勇気、節制、正義をまとめて「ギリシアの四元徳」と呼び、
ギリシアの基本的な徳とされた
・理想国家
・プラトンは、哲人政治の国が理想だとした
※哲人政治とは-・哲学者が国家の支配者となる ・国の支配者が哲学者となる
のどちらかが出来ている政治のこと
=要は、国のトップが哲学者であればいいと考えた
→このことからプラトンは、政治=最高善(善を完成させる)を目指すことと考えた
・プラトンは、魂の三分説を社会にも当てはめるべきだと考えた
・支配者=統治階級=哲人
・軍事面で活躍する人=防衛階級=武人
・経済のために働く人=生産階級=庶民
→プラトンは、哲人が武人と庶民をコントロールし、
武人と庶民が活躍した時が理想だと考えた
※このことから、プラトンは理想主義であったことがわかる
ポイント
・プラトンの考え方の中心はイデア論で、イデアは理性でのみわかるとした
・人は、エロースを通して、イデアをアナムネーシスすることが大切だとした
・理性が気概と欲望をコントロールするという考え方を、魂の三分説と言う
・知恵と勇気と節制と正義をまとめてギリシア四元徳と言う
・プラトンは哲人政治と、哲人が武人と庶民をコントロールして
庶民と武人が活躍した時を理想とした
・プラトンは理想主義の人