エピクロス派とストア派の思想の違い
エピクロス派とストア派の考え方の違いについて説明します。
※そもそも、なぜエピクロス派とストア派の考え方が重視されるようになったのか
→エピクロス派とストア派が重視されるまでの流れ
・スタート・・マケドニア王国というのが、ギリシア全てを支配した
→その後、アレクサンドロス大王が世界国家を作って、
「ヘレニズム」という時代に持ち込んだ
→上の動きによって、人々がポリス(市民のグループ)のきずなを失ってしまった
=結果的に、人々は他人に頼ることができなくなって困ったため
自分の中に幸せを求め始めた
→この要求に答えたのがエピクロス派とストア派だったため、重視されるようになった
・2つの派の考え方
・エピクロス派
・作った人(祖)- エピクロス
・考え方 - 快楽主義
・内容 - 個人の快楽を追求することが幸福
・エピクロス派の理想 - アタラクシア
・アタラクシアの意味 - 短い時間であったり(刹那的)、快楽を思うがままに
楽しむ(享楽的) のではなく、落ち着くことで
精神的に心が安らぐのが良い、ということ
・この派が信じている基本的な行動(信条) - 「隠れて生きよ」
・「隠れて生きよ」の意味 - 政治や社会などの面倒さから隠れて、質素な生活を送り、
心の静けさと安らぎを守るべき
・ストア派
・作った人(祖)- ゼノン
・考え方 - 禁欲主義
・内容 - 理性で自分の強い感情(情念)に打ち勝つことが幸福
・ストア派の理想 - アパティア
・アパティアの意味 - 情念に左右されない努力を徹底する
・この派信じている基本的な行動(信条) - 「自然に従って生きよ」
・「自然に従って生きよ」の意味 - 理性に従って生きることで、世の中の時代の流れとは
関係のない独立した自由を得ることができる
・その他
→・理性を平等に分け与えれば、人間は全員が平等と考えた
・ポリスに縛られない、世界市民(コスモポリテース)の生き方を生み出した
・万民法(民族の違いを超えて適用する法律)の成立に関係した
・この派から、マルクス=アウレリウスなどが誕生している
※この2つの派閥は、理想を個人の自由と幸せに求めた、という点で共通している
ポイント
・個人を重視する考え方が生まれたため、エピクロス派とストア派が生まれた
・エピクロス派は、エピクロスが作り、快楽主義で、アタラクシアで、
「隠れて生きよ」が重要
・ストア派は、ゼノンが作り、禁欲主義で、アパティアで、「自然に従って生きよ」が重要
・ストア派は、世界市民や万民法、マルクス=アウレリウスの誕生などに関与している
・2つの派閥は、個人が自由と幸せを得ることが理想と考えた