都市国家の成長と新しい宗教の展開・統一国家の成立について
都市国家の成長と新しい宗教の展開・統一国家の成立について考えてみます
・都市国家の成長と新しい宗教の展開について
・ヴェーダ時代が終わって、部族社会が崩れるということが起きた
→その後、政治経済の中心はガンジス川上流域から、中・下流域へと移動していった
→結果的に、紀元前6世紀ころから城壁で囲まれた都市国家がいくつも誕生した
=いくつもの都市国家の中から、コーサラ国、マガダ国が強力となった
・当時の都市国家で勢力を伸ばしたのは、
武士階層のクシャトリヤや、商業を行うヴァイシャだった
→クシャトリヤやヴァイシャの支持を背景にして、
新しい宗教がいくつか生まれた
・第一に生まれたのは、仏教だった
→仏教について
・仏教を生み出したのは、マガダで悟りを開いた
ガウタマ=シッダールタ(尊称がブッダ)だった
・ガウタマは、以下のようなことを否定した
→・動物を犠牲に捧げる供儀
・難解なヴェーダ祭式
・バラモンを最高位とするヴァルナ制 など
・ガウタマは、以下のようなことを考えた
→・心の内面から人々の悩みを考えることを重視した
・生まれる前の行為によって、死んだ後に別の生をうける過程が繰り返される
という輪廻転生を考えた
・輪廻転生からどのようにして人々は抜け出すべきかという、
解脱の道を考えた
・第二に生まれたのは、ジャイナ教だった
→ジャイナ教について
・ジャイナ教は、ヴァルダマーナという人が作り出した
・仏教と同じように、バラモン教の祭式やヴェーダ聖典の権威を否定した
・苦行と不殺生を強調した
・第三に生まれたのが、バラモン教の改革運動だった
→バラモン教について
・仏教やジャイナ教にバラモン教の権威を否定されるようになったので、
バラモン教にも改革運動をおこした
・今までの祭式至上主義から転換して、内面を考えることを重視した
=この考え方によって、ウパニシャッド哲学というのが生まれた
・民間の信仰を受け入れていった
→その時に、ヴェーダの神々に代わって、シヴァ神やヴィシュヌ神などと
呼ばれる神が主神となる宗教が出て来た
=この宗教をヒンドゥー教という
※シヴァ神に関するものとして、踊るシヴァ神というのがある
→これは、シヴァ神がヒンドゥー教の破壊の神であることを示している
→シヴァ神は、舞踊の神であるナタラージャとしても知られている
→このブロンズ像では、炎を背景に、当時無知の象徴とされた小人を
足で踏みつけながら踊っている
・統一国家の成立について
・紀元前4世紀になると、アレクサンドロス大王が
西北インドに進出するということが起きた
→アレクサンドロス大王は、インダス川流域のところで場所を変えつつ
あちこちで戦いを繰り返していた
=その影響で、各地にギリシア系の政権が誕生した
・上のような混乱した状況から、紀元前4世紀の終わりに
インドで最初の統一王朝だったマウリヤ朝が登場した
→マウリヤ朝の創始者をチャンドラグプタ王と言う
→チャンドラグプタ王は、ガンジス川流域を支配していた
マガダ国のナンダ朝を倒して首都をパータリプトラに置いた
→さらにその後、チャンドラグプタ王はインダス川流域のギリシア勢力を
一気に倒し、西南インドとデガンを征服した
・マウリヤ朝が最も繁栄した時の王様は、アショーカ王という人だった
→アショーカ王は、征服活動の時に多くの犠牲者を出したことを悔やんできた
=そのため、段々と仏教に頼るようになっていった
・アショーカ王は、武力を使った征服活動をやめて、
ダルマ(法律、守るべき社会的な倫理)による統治と、
落ち着いた社会を目指して、各地に勅令(王の命令)を出し、
仏典の結集や仏教の各地への布教を行った
※しかし、布教の裏でいくつかの出来事が起きた
・官僚組織と軍隊の維持を行っていたことによって財政困難を招いた
・マウリヤ王家に対してバラモン階層が反発していた
→このようなことが起きていたため、マウリヤ朝がアショーカ王の
死んだ後に衰退してしまった
ポイント
・都市国家の様子をおさえる
・仏教についておさえる
・ジャイナ教についておさえる
・バラモン教とヒンドゥー教についておさえる
・統一国家の成立とチャンドラグプタ王の動きをおさえる
・アショーカ王の動きとマウリヤ朝の衰退をおさえる
このあたりが今回のポイントです