孟子と荀子と性善説と性悪説
孟子と荀子と性善説と性悪説について考えます
・孟子について
・孟子は性善説を提唱した
・四徳と五倫を重視した
※性善説:人間には最初から良心的な心を持っているという考え方
五倫:人間の社会での関係を制限した考え方
(・父と子の関係=親 ・君と臣の関係=義 ・夫婦の関係=別
・長と幼の関係=序 ・=朋友の関係=信)
・孟子は、性善説を前提としているため、人間の心には、
・善悪を理性的に判断する能力=良知
・悪をしりぞけて善をやろうとする能力=良能
の2つがあるから、人は生まれながらにして良心があると考えた
→このような考え方から孟子は、
人間が悪いことや欲を持とうとするのは、周りの環境(=人間の外)が良くないのが
原因と考えた
・孟子の四端と四徳
・孟子は、性善説の立場で四端と四徳を論じた
→孟子は、人間には生まれた時から四端(四つの徳の根本)を持っていて、
人は四端を養うことで四徳を実現できると考えた
四端 四徳
・他人の不幸を見て見ぬふりができない憶測の心 ・仁
・自らの不正、悪を羞じ悪む羞悪の心 → ・義
・互いに譲り合う辞譲の心 ・礼
・善悪を見分ける是非の心 ・智
→・この四徳が充実すると、何事にも動じない浩然の気というのが生まれる
・浩然の気を獲得した人を大丈夫(だいじょうふ)と呼んだ
・孟子の政治観
・孟子は政治に対しても性善説の立場で考え、「民を貴しとなす」と考えた
→・政治は、上の人が仁義を持っている政治(=王道政治)が良いと考えた
・逆に、上の人による、王や権力が支配する政治(=覇道政治)を否定した
→そのため、民衆は王様が民衆の意見とは違う政治をしたら、
王を変えることを認めるべきと考えた
=これを易姓革命と言う
・荀子について
・荀子は性悪説を提唱した
※性悪説:人間は生まれつき欲や悪いことを思っている、という考え方
→そのため、荀子は、欲を抑えているのは人間の矯正の結果だと考えた
→このような考え方から、荀子は人間の内面の仁よりも、
人々を規制する社会のルールである礼を重視した
※人が欲や悪いことを抑えることができるよう、政治でも法律をしっかりすることが
大切だとした
※荀子から学んだ韓非子という人は、法治主義を完成させた
※董仲舒という人は、四徳に信を加え、五常というふうに考えた
ポイント
・孟子は、性善説を提唱し、四徳と五倫を重視した
・人間の心には良知と良心が備わっているから、人は元々良心があると考えた
・孟子は、周りの環境が悪く、人間は悪くないと考えた
・孟子は四端と四徳を提唱した
・四徳が充実した人を浩然の気、浩然の気を得た人を大丈夫と呼んだ
・孟子は、王道政治が良いとし、覇道政治を否定した
・孟子は、易姓革命を主張した
・荀子は、性悪説を提唱した
・荀子は、人間には元々欲や悪い心があるから、
欲を抑えているのは人間の矯正の結果だとした
・荀子は、仁よりも礼を重視した
・荀子に学んだ韓非子は、法治主義を大成させた
・董仲舒は、四徳に信を加えて五常とした
コメント
仁に対応する四端は惻隠の心じゃないんですか?