日本的経営の特徴
1980年代末までの日本的経営の特徴としては、①日本型人事システム②日本型株式会社③企業間結合システムが挙げられる。①については、いわゆる終身雇用・年功制・企業別組合のことで、企業への「所属型」と呼ばれる。所属型を形成する要因としては、新規学卒一括採用した人間を企業内訓練によってその企業で活躍できるように育てる(OJT)。また、企業規模別賃金も所属型を形成する上で重要な要素だった。このように、所属型を形成しながら賃金や雇用を保障し、企業と社員の運命共同体関係を築いていたのが日本型人事システムである。
一方の欧米は契約型と呼ばれ、就職に関しては随時募集の中途採用が一般的であり、新規学卒一括採用というシステムはない。また、賃金に関しても職種別や産業別で、企業横断型の賃金体系が一般的である。
②については、日本の場合、社長と取締役会の距離が近く基本的に社内で完結していた。ゆえに経営者支配が強く、業績が悪化した時にはそれを隠そうと不正会計などが起きやすく、株主も株式相互持ち合いで安定株主だったために適切な監査ができない状態だった。オリンパスなどはその例の一つである。一方の欧米は、取締役会が社外にあったり、監査役会の権限が強かったりする点で日本との違いがある。
③については、親子関係の企業系列が重要である。日本の自動車会社を例にとると、親会社の部品の内製率は30%程度で、約70%は子会社に安価で高品質なものを作らせている。子会社からすれば、親会社に従わなければ取引を継続してもらえない構造だった。このような製品のコストダウンと高品質の部品の提供を確保できる下請けシステムによって、強力な輸出依存による高度成長を可能としたのである。
コメント
特徴はいいけど、
このあとはどうするべきなの?