資本主義と企業との関係について
資本主義と企業との関係を考えてみたいと思います
・企業について
・企業は、大きく2種類に分けることができる
・個人企業・・個人が自分のお金を使って自分で経営する企業のことで、
農家や個人商店などが含まれる
・法人企業・・株式会社や合資会社、合同会社など、何人かの個人が
お金を出し合って経営する企業のこと
・法人企業について
→法人企業には、株式というものが存在する
・株式・・株券を持っている割合に応じて、企業から様々な権利をもらうことができ、
その権利のことを指す
※株券・・1つの株式を証券(財産に関して権利や義務が書かれている紙)
にしたもののこと
※株券は基本的に証券取引所というところで取り引きされ、
需要と供給で株券の値段(=株価)が決まる
→ある企業の株券の需要が高くなれば株価は上がり、
供給が多くなれば株価は下がる
※株券は、2009年6月に完全なペーパーレス化(紙ではなく、
電子取り引きなどで行うこと)となった
・現代の資本主義経済の特徴について
→根本的に、企業の規模が大きくなってきている(企業の大規模化)という特徴がある
・現代の資本主義経済は大企業体制だと言われている
※大企業体制・・大企業が生産活動の中心に存在している体制のこと
・現在の日本の大企業の多くは、法人資本主義(経営者資本主義)の
スタイルを取っていると言われている
※・法人資本主義・・企業が株式会社という制度を使うことで、
企業が所有と経営の分離を行う資本主義のこと
・所有と経営の分離・・企業の所有者は株主だが、株主が所有と経営を同時に行うことは
不可能なので、企業の所有は株主に、企業の経営は経営者に
してもらうというように、所有者と経営者は別々にする
という動きのこと
・会社の種類とそれぞれの概要について
・株式会社の公開会社
→株主が株式を他人に自由に譲ることができる株式会社のこと
→この会社に資金を出す人は、有限責任の株主であり、
この会社を作るためには3人以上の取締役が必要
・株式会社の株式譲渡制限会社
→株式を誰に譲るかについて、制限できる株式会社のこと
→この会社に資金を出す人は、有限責任の株主であり、
この会社を作るためには1人以上の取締役が必要
・合資会社
→無限責任社員と有限責任社員が出資者である会社のこと
→この会社を作るためには、無限責任社員と有限責任社員が
それぞれ1人以上必要
・合名会社
→無限責任社員が出資者である会社のこと
→この会社を作るためには、無限責任社員が1人以上必要
・合同会社
→有限責任社員(会社内部では組合)が出資者である会社のこと
→この会社を作るためには、1人以上が必要
※無限責任社員と有限責任社員について
・無限責任社員・・会社が倒産した時に、どのような理由であろうと
会社の借金を全て返済する人のこと
・有限責任社員・・会社が倒産した時に、自分が出資した金額分だけ責任を持ち、
会社の借金の返済まではしない人のこと
・現代の企業の特徴について
・現代の企業の多くは、企業を大きくするために、
2つの方法を使って企業を大きくしようとする
1・・銀行などからお金を借りたり、増資をしたりすることで、
足りないお金を調達して、設備に投資をする
2・・M&A(他の企業の株式を買い占めて、その企業を買収、合併すること)をする
※M&Aの中でも、全然違う産業の買収、合併をすることで生まれた企業を
コングロマリットと言う
→M&Aは、1980年代のアメリカ、バブル崩壊後の日本で
頻繁に行われるようになった
※バブル崩壊後の日本は、株式の相互持ち合い制が崩れたり、
企業どうしの競争が激しくなったりしたので、
買収や合併が増えるようになった
・相互持ち合い制・・会社どうしでお互いの株を持ち合う制度のこと
・法人企業は自律する意識と閉鎖的(外部を受け入れない)になる意識が高まったと言われる
→なぜ自律と閉鎖の意識が高まったのか
・1997年に持株会社制度が復活して、自社株保有の規制の緩和が
考えられているからだと言われている
※・持株会社・・他の会社の株式を持つことで、他の会社を支配することを行う会社のこと
戦後は、財閥が復活するのを避けるために、この会社は
独占禁止法9条で禁止されていた
・自社株保有・・自分の会社の株を自分で買うこと
→昔は、不公正な取り引きという不安があったので禁止されていたが、
株の買い占めを防ぐなどの理由で、少しずつ規制が
緩くなっていると言われている
・現在の日本では、ディスクロージャー(企業の情報の開示)を積極的に行って、
コーポレートガバナンス(企業統治)を強化する必要があると言われている
※コーポレートガバナンス・・会社の経営者を様々な人達が監視すること
→そのために、現在は所有者である株主の権力を
強くするべきだと言われている