地球市民社会の中の日本の存在について
地球市民社会の中の日本の存在について考えてみたいと思います
・戦後の日本の動きについて
・1951年に、サンフランシスコ平和条約という条約を西側の国々と結んだ
※・サンフランシスコ平和条約に中国は呼ばれなくて、ソ連、ポーランド、
チェコスロバキアは条約に署名をしなかった
・日本では、西側だけではなく、東側の人々も含めて、関係する国々全てと結ぶべき
=「全面講和」をするべき、という意見があった
・1952年に、当時の連合国の占領下から日本が独立をした
・サンフランシスコ平和条約と同時に、日米安全保障条約という条約も結んだ
→これによって、日本はアメリカに軍事基地を提供したりして、
日本はアメリカの冷戦の戦略に組み込まれた
・戦後の日本は、国連中心主義、自由主義諸国との協調、アジアの一員としての立場の堅持を
海外との交流の時の原則にした
・日本が独立した後は、日本の周りの国々との関係を良好にすることと、
国際社会に復帰することが日本の、海外との交流の時の重要なポイントになった
・日本は、1956年に日ソ共同宣言という宣言をして、ソ連との関係を復活させた
・日本は、1956年に国連に加盟した
・日本は、1965年に日韓基本条約を韓国と結んだ
※日韓基本条約・・日本と韓国が結んだ条約のこと
この条約で、日本は韓国を朝鮮半島にある唯一の合法政府として認めた
→これによって、日本と韓国との間に交流が生まれた
・日本は、1972年に日中共同声明という声明によって中国との交流を復活させた
→その後、1978年に日中平和友好条約という条約が調印された
※中国との交流の復活は、日本が台湾(中華民国)との間で
日華平和条約という条約を結んでいたため、交流の復活が遅かったと言われている
・朝鮮民主主義人民共和国との交流は復活していない
・日本の領土の問題について
・1972年に沖縄を返してもらうことが出来た
→しかし、領土を誰が持っているか、という問題が多く存在する
・領土問題の例
→・ロシアとの北方領土の問題
・韓国との竹島の問題
・中国との尖閣諸島の問題
※北方領土については、日本の政府は、歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島
(まとめて北方領土という)は歴史の視点で見ると、日本の領土だと考えて、
ソ連に返してもらうことをお願いしている
=このことを、北方領土問題と言う
→現在はロシアと北方領土についての交渉をしている
・日本の戦後補償問題について
・1980年代に、日本から植民地の支配や、日本の攻撃によるダメージを受けた人達が、
日本政府に対して、個人補償や謝罪をしてほしいというお願いが出てきた
=このような問題を戦後補償問題と言う
→政府は、戦後補償問題については、植民地支配や攻撃をした国に
お金や物品などを渡したことで解決したと考えているが、
現在でも日本に対して不満を持っている人は多い
※一般的には、戦争の被害の補償に関しては、和解のための条件として、
国が国へお金や物品などを渡す、という形で行われることになっている
→・日本政府の場合は、賠償協定という協定を結んだ、フィリピン、南ベトナム、
インドネシア、ビルマには賠償だがそれ以外の国々については、
賠償をしない代わりに、経済の支援を行うという行動を基本的に取ってきた
・日本の安全保障の問題について
・1989年に冷戦が終わり、ソ連が崩壊し、ロシア連邦になった
→そこで、日本とロシアとの間で、北方領土の問題はあるとしても、
平和条約を結ぶ方向が考えられている
・一方で日本は、戦争の放棄が書いてある平和憲法があるが、
世界の中でもかなりの上位に入るほどの軍事への支出をしていて、
矛盾しているのではないか、と言われている
→上の2つを考え、勢力均衡が世界で失敗したという事実を考慮した上で、
平和憲法の原則を守りつつ、自分の国の安全を維持していくことが
重要だと言われている
※自国の安全の維持の方法の一つとして、国連やASEAN地域フォーラム(ARF)などの
多国間国際機構を使う、ということが考えられている
→そのような機構を使うことで、ヒトや経済の交流を促して、
他の国や人々との信頼関係を作ってコミュニケーションや協力などを土台にした
国際政治のルールを作ることが大切だと言われている
※ASEAN地域フォーラム・・アジア太平洋地域の安全保障の問題について多くの
国との間で議論をするための枠組みのこと
→1994年に作られ、ASEAN諸国、日本、中国
韓国、アメリカ、ロシア、EUなどが参加している
・日本の安全保障では、アメリカとどのような関係を持つか、
ということが重要だと言われている
※なぜ重要なのか・・
→アメリカは単独の行動が多く、アメリカに極端に従うと、
日本が世界で孤立する可能性があるから
・アジアと日本との関係について
・日本は太平洋戦争(アジア太平洋戦争)の時に、アジアの国々の人々を日本が支配した、
ということがあった
→この時、支配されたアジアの国々の人々は、今でも日本に対して不信感を抱いている
※韓国や中国からは、日本の戦後補償と歴史的な背景の理解が甘いと言われている
・世界の中での日本の役割について
・世界で唯一核兵器の被爆を受けた国として、核を減らすことを促す必要がある
・政府開発援助(ODA)や国連など、様々な国際機関にお金を提供する必要がある
・安全保障理事会に、日本とドイツが入るべき、という意見がある
・軍事への貢献をする必要がある
→そこで、日本はイラク戦争の時に、戦後復興支援という名前を使って、
日本の自衛隊をイラクに派遣した
※イラクへの派遣については、本当に平和に貢献しているのか、
日本の平和憲法の扱いはどうするべきなのか
などの議論がある
・日本は、自分の国だけの安全や平和、利益などを追求するのではなく、
世界全体を視野に入れて考える必要がある
→そこで、人間の安全保障のための考えや、地域紛争を未然に防ぐための考えなどを、
世界へ伝えていって、実際に行動に移るように努力する必要がある
※人間の安全保障・・人々に共通している利益(人権を保障する、地球環境を維持する、
など)を目指して、格差のない社会を作っていく、という考え方のこと
ポイント
・戦後の日本の動き、特に他国との関係を押さえる
・日本の領土の問題を押さえる
・日本の戦後補償問題について押さえる
・日本の安全保障の問題を様々な面から押さえる
・アジアと日本との関係を押さえる
・世界の中での日本の役割と影響と関係を押さえる