貨幣について
貨幣について考えてみます
・貨幣と信用創造について
・そもそも貨幣とは・・経済での取引を仲介するためのもののこと
→貨幣は、上のような交換手段以外に、
価値尺度、支払手段、価値貯蔵手段の機能がある
※・価値尺度・・モノの価値を貨幣で表現することができる
・支払手段・・モノに対して支払う手段として使える
・価値貯蔵手段・・価値が消滅したり、腐ったりすることが無く、
一定の価値を保ち続ける手段として使える
・通貨について
・通貨とは・・貨幣の中でも、幅広く使う事が出来るものを通貨という
・通貨は、現金通貨と預金通貨の2つに大きく分かれる
・現金通貨・・紙幣や硬貨のこと
・預金通貨・・普通預金や定期預金、譲渡性預金(他人に譲ることができる定期預金)
などの総称
・信用創造について
・信用創造とは・・簡単に言うと、金融機関がお金を貸すことで、預金通貨を作ること
・信用創造を具体的に考えると
・預金が100億円、
支払準備率(預金者が預金を引き出す時のお金を準備するための割合)20%の場合
→Aの銀行が100億を持っていた場合、支払準備率で20%はキープするので、
80億をa社に貸すとする
→a社の80億は、別の銀行(仮にBとする)に預けることが多い
→そこで、80億を預かったBの銀行は、支払準備率の分(16億)を
キープして残りの64億をb社に貸す
→b社の64億は、別の銀行(仮にCとする)に預けることが多い
→そこで、64億を預かったCの銀行は、支払準備率の分(12.8億)を
キープして残りの51.2億をc社に貸す
→上のようなことを繰り返すと、本来は最初持っていた預金(本源的預金と言う)の
何倍ものお金を貸すことができるようになる
=このように、本来のお金の何倍ものお金を貸すことを信用創造と言う
※上の例の場合だと、100億+80億+64億+51.2億+・・・=500億
という計算が出てくる
=これは、本源的預金(100億)を支払準備率(0.2)で割ると、
このような結果が出てくる
→このことから、支払準備率が低いと、貸し出せるお金が多くなることがわかる
例:100億で支払準備率が10%だったら、100÷0.1=1000億
ということになる
・管理通貨制度について
・管理通貨制度とは・・金本位制に変わって新しく出来た制度のこと
1929年までは金本位制、1930年から管理通貨制度になった
→世界各国は管理通貨制度によって1929年の大恐慌を
乗り切ろうとした
※・金本位制・・中央銀行が作る紙幣(銀行券)と金の兌換(取りかえ)を
義務にした制度のこと
→この制度によって、中央政府は銀行券(兌換紙幣)を
自由に作って増やすことができなかった
=国の紙幣の量は、中央銀行が持っている金の量に影響されるようになった
・管理通貨制度・・金本位制を辞め、通貨(不換紙幣)を、
金の量に関係なく作ることができる制度のこと